〈どうやら、俗にいう
魔法とやらが使えるようなのです。
知らないうちに
この体に呪文の言葉を持ったらしく、
その瞬間に何をいうべきか分かってしまうのです。
あの時、男にもなにか呪文を与えました。
自分でも知らないうちに…〉
そう、あの日私は何かを
自分が唱えていることに気づいた。
警備隊が彼らと戦っている
数分間から数時間が
ゆっくりスローペースで
なにか映画のワンシーンでも
観ているかのように見えて、
ただただ、男が可哀想で、
彼に眠りの魔法を
かけたようだったのだ。
そのことを足早に説明すると、
リーダーは少し
考え事をするように
黙り込んでしまった。
そして言葉を探るように慎重に、
『…もし、その、君が嫌でないならば…
君の過去を視てもらうのはどうかな?
優秀な占い師を知っているのだけど。』
きっとリーダーは
私に最大限の遠慮をしているのだと。
それは、先ほどまでの
テンポの良い会話から
この顛末を考えれば明らかだった。
私の事を最大限に考えた
結末なのだろうと。
私も自分の過去には興味があった。
なぜ人が持たない物を
自分が持っているのか、
そこにどんな意味があるのかを。