リーダーと話をした日から、
私は城内に残ることとなった。
リーダーはすぐにでも
占い師の所へ案内する
予定であったみたいだけど
人気の占い師は
そうそう予定を調整できなかった。
城内には私の
興味を引く物が沢山あり、
リーダーが言った、
占い師と会う
約束を取り付けた日まで
朝から晩まで飽きもせずに
城内を見学して回っていた。
私が城内に居るという事は、
一斉に知れ渡ったようであり、
「勇敢な魔法遣い」として
有名になっていたらしく
いろんなところで
いろんな出会いをした。
それはただの囃し立ての、
不快な気分になる
出会いもあったが
それだけではなかった。
城内に残る事に決めた朝、
私に用意された一室の部屋に
ノック音が響いて
「失礼します、お嬢様。
朝食をお持ちしました。」
そう言って入ってきた彼女は、
私と同い年ぐらいの、
いや、私より若く見えて、
手に持っている朝食は
豪華なものだった。
〈これ、全部私のために?〉
「はい。
タク様から食事の支度全般を
するようにと
召し遣っていますので。」
そういう彼女の声は
少し無機質で、
仕事だからという
思いが伝わって来て
少し笑ってしまった。
〈ねぇ、気を悪くしたら
ごめんだけど、
あなた年は?
私とそう変わらないんじゃ…〉
「…21です。」
〈うわっ、若いね。
凄いね、その年で
こんな料理が作れるなんて。〉
「家(うち)は代々
ここへ遣える家系なので、
小さい頃から習ってます。
貴女様、お名前は?」
〈私はトモです。貴女は?〉
「私はユイです。」
〈じゃあ、ユイって
呼んでもいい?
私はトモでいいから〉
「はい。」
〈ユイはご飯は?〉
「後で残り物を頂きます。」
〈じゃあ一緒に食べない?
朝食、おいしそうなんだけど
私には多くて
食べきれないような気がするし〉
「…ひとつ聞いていいですか?」
〈なに?〉
「敬語、止めていい?」
〈ふふっ、どうぞっ〉
「はぁ~。疲れた。」
〈敬語、似合ってなかったもんね〉
「うるさいよ。しょうがないでしょ、
仕事なんだから。」
〈なに?思ってたより口悪いのね〉
「しょうがないでしょ、
性格なんだから」
〈まぁ、私もその方が
気を遣わなくていいかもね。
でっ、さっきの質問・・・〉
「まだ、仕事が残ってるから
待ってて。」
〈分かった。
今度から私の所
持ってくるの最後にしてよ。
私、1人で食べるの
飽きちゃったし〉
「分かった。
じゃあ、ちょっと待ってて」
そう言い残し、
ユイは部屋を出ていった。
部屋から少し覗くと
営業スマイルで仕事をこなしてて
その姿に少し笑ってしまったけど、
しばらくして我に返って、
あの年ですごいなぁなんて思ったりした。