無限の住人
皆が一度は得るもの。“生”これを生かすために人間は生涯の間、戦い抜く。それとと同時に無限の闇に恐れを抱く。目には見えてこない、触れてこないその恐怖に人間は打ち勝つことができない。『なぜ生きようとする?そのままじっとしていればお前の願いは叶うというのに。永遠の命を捨てることができるのに。結局、あの娘の命の方が大事ということか?哀れな男よのぉ、優しさを捨てきれず、無限の世界を彷徨うはめになるとは…』無限の命を手に入れ永遠を手に入れた彼らが生きながらえたその先に見る死の世界。【もう、生きるのは疲れた。】自分の能力を恐れそれでも捨てられない自分に落胆する。【私の剣は人を不幸に陥れる。】そ れでも彼は捨てなかった。投げ捨てられるかもしれない境地の中でも愛する人のために。投げ捨てられなかった。一度はその手から零れ落ちてしまった命が再び、目の前で助けを乞うているのならと。〈愛する人のためなら善も悪も関係ないじゃないですか?〉純粋に、真っ直ぐにそう言い放てる彼女の心を守るために。