■富士通子会社の富士通フロンテックは、
カラー電子ペーパー採用の携帯情報端末のサンプル販売開始を発表した。
電子ペーパーは、10年前に米MITで生まれ、
白黒の電子ペーパーを使った端末はすでに実用化されている。
国内でもSONYやエプソンが商用化端末を出している。
富士通の発表によると、
カラー電子ペーパーを搭載した端末は、世界初と言う。
電子ペーパーは、紙のように柔軟性があって折り曲げることが出来る。
明るい日差しの下でも薄暗い部屋でも見ることが出来る。
バックライトを使わないので消費電力が少ない。
電源を切っても表示画面が消えずにそのまま残る。
タッチパネル機能により操作は画面から出来る。
という強みがあった。
しかし白黒では応用範囲に限界がありカラー化が待たれていた。
富士通発表の携帯端末の名称は「FLEPia」(フレッピア)。
富士通研究所と共同開発したカラー電子ペーパーを採用とのこと。
画面サイズがA4タイプと、A5タイプの2種類あり、
解像度はXGA・768×1024ピクセル。
カラー表示は、8色か4096色、コントラスト比は4:1。
OSは、Windows CEを搭載。
コンテンツは、SDメモリーカードに保存。
USB接続や内蔵無線LAN機能(IEEE 802.11b/g)により
パソコンを通じてネットから直接コンテンツをダウンロード出来る。
内蔵バッテリーで50時間連続の駆動が可能。
重さはA4で480g・A5で320gと軽い。
さて、この端末、普及への課題・死角はないか。
まず、価格がネックとなるがこれは時間が解決する。
当面は10台単位で、
A4タイプが25万円、A5タイプが15万円とのこと。
最早、普及に妨げとなる価格帯ではない。
技術面では、画面書き換え時間の遅さがネック。
4096色では10秒かかるとのことで、
Webサイトをリアルタイムで検索するような用途には使えない。
これは、高速化が実現するまで
電子ブックのような用途に限定する他はない。
しからば、電子ブックに相応しいコンテンツが揃っているか、
電子ブックを通じて情報を得ると言う文化が育っているか、
電子ブックはまだまだ普及の兆しを見せていない。
そういう点が次なる課題となりそう。
ネットによる音楽配信も、
実用化されたのは10年近く前になるが、
実際に普及したのはKDDIが携帯電話でサービスを始めてから。
電子ペーパー端末が本格的に普及するのも
技術革新が進むか、新しい文化が育つか、
あと数年は待つ必要がありそうな気がする。