松下電器のプラズマ新工場建設は、間違いなくこれからの命運を分ける | 留守宅は大丈夫?

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「セキュリティ工房TOP5」ブログ。 セキュリティは、ネットワークカメラによる遠隔モニタリングの時代。
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■松下電器のテレビの開発拠点は、かっては茨城・宇都宮・藤沢だった。
藤沢は、白黒TV専門でいつしかTVの生産はなくなった。
宇都宮も松下電器の苦しい時代に主力工場ではなくなった。
そうした厳しい変遷を経て、
現在は、茨城2工場・尼崎・上海の工場で
年間550万枚のPDPを生産しているという。
さらに年間200万枚の尼崎第2工場が7月に稼動し、

これを加えて年間生産能力は750万枚になる。
尼崎第2工場がフル稼働する2年後にはすべて合わせて1150万枚とのこと。
こうした状況の中で、
新たに年間生産能力1000万枚規模のとんでもない新工場を
尼崎の第3工場として建設する方針が発表された。
多分、古くて効率の上がらない茨城工場の見直し、
2011年のアナログ地上波廃止による新需要の見込み、
という背景があるからだろうが、それにしても思い切った計画には違いない。
すべて合わせると年間の生産能力は2000万枚を超える。
当然世界市場をターゲットにしているだろうが、
日本の世帯数から考えてもその規模の大きさが理解できる。
これらの工場がフル稼働してPDPのコストダウンに貢献するためには、

少なくとも一つ乗り越えるべき条件がある。
それは、ライバルである液晶TVに勝つか

少なくとも負けないということが求められる。
ところが、この辺の見通しは必ずしも確かなものではない。

プラズマと液晶にはそれぞれ一長一短があり、

バランスが取れている内は、どちらの需要も伸びるが、
どちらかが自分の短所をカバーし、バランスが崩れた時は、
いっきょに勝負がつく可能性がある。
方式が違う商品というのはいつの場合もこういう宿命を持つ。
量産によるコストダウンというのは、もちろんより長所をのばす戦略だが、
性能面で何らかの遅れを取ったときは、大変なことになる。
事実、大きさではPDPには勝てないといわれていた液晶が、
世界最大競争でもPDPを凌ぎ始めている。
性能には、美しさだけではなく、その他寿命・電力消費・重さ等、様々な要素がある。
松下電器がこの大ニュースを世界に発信した本日、株価は85円も下落した。
ストックホルダーの微妙な気持ちが表れているようだ。

松下電器は、もちろん勝つことしか考えていないが、
大変な大博打であることには変わりはない。
つくづくすごいことをやると思う。