■通信の世界では、常に新しい大きなビジネスチャンスが横たわる。
来年は、どうやら無線ブロードバンドサービスWiMAXが騒がしくなりそうだ。
WiMAXは、現状の無線LAN規格である802.11a/b/g/とは異なり、
より高速で、しかも1基地局のサービス範囲が携帯電話並みに広い。
高速で移動する車の中でもブロードバンドサービスが受けられるだけでなく、
ブロードバンドサービスの利用範囲が飛躍的に拡大する。
半導体会社のインテルが提案した技術で、
米国電気電子学会(IEEE)では、802.16シリーズとして標準化が進められてきた。
本家の米国では、携帯電話会社のスプリントが、今年8月に
2008年から全米での商用化を発表している。
アナリストからは、設備投資は最大40億ドルに膨らむと懸念されているほど、
相当の覚悟が求められる事業展開となる。
日本では、いち早く昨年5月に平成電電が、
WiMAXとWi-Fiを組合わせたサービスの開始を発表した。
まだ総務省の周波数割当や認可前の発表で成り行きが心配されたが、
その後、平成電電は民事再生手続き入りとなり計画は頓挫した。
しかし、ビジネスに名乗りを上げる会社は続いている。
アッカネットワークスは、今年2月に、
接続及びサービスの実証実験を
情報通信機構(NICT)と共同で実施すると発表した。
アステルからPHSを引き継いだYOZANは、
そのPHS網を使ってWiMAXを構築する計画を昨年発表し、
今年3月には音声通話接続試験に成功したと発表した。
続いてNTTドコモは、屋外実証実験のための免許を総務省に申請し、
性能評価、既存システムとの干渉検証を行うと発表した。
これら通信事業会社のバックには、
チップの開発、システムの開発、端末の開発のために
多くの意欲的な会社がグループを組んでいる。
無線ブロードバンドサービスが実用化されれば、
生活スタイルが変わることも予想されビジネスチャンスは大きく広がる。
固定電話を避け、携帯電話のみの若者が増えてきたように、
インターネットも、光回線やADSLからワイヤレスに変わる可能性もある。
携帯電話そのものが今後ブロードバンド化していく中で
WiMAXサービス開始に向けての競争はより厳しくなることは間違いない。
さて勝ち残る企業はどこ?
■そういえば当社が扱うbモバイルもWiMAXとは無縁でいられない。
現在はPHS網と無線LAN網を網羅しているが、
WiMAXサービスが実現すれば、対象とすべきインフラは大きく変わる。
bモバイルを製造している日本通信は、
WiMAXの動向をしっかりと把握し、
bモバイルのあらたな進化を模索しているに違いない。