MTBにドロップハンドル装着! (5)STIでVブレーキを引く 「Vブレーキローラーは使える?」 | iven works

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ないなら作ればいいじゃない。

こんちわ。

しばらく間が開いてしまいましたが、引き続きましてMTBのドロップ化のお話。
今回のテーマは「VブレーキをSTIレバーで引く」。
VブレーキのMTBをドロップハンドル化するときに困る「レバー比のズレ」への対処です。


ググると様々な方がいろんな方法を試しているので、詳しい説明は省きますが、MTB用ブレーキとロード用ブレーキではワイヤーの引き代が違います。
なので、単純に組み替えても上手く使えないと言われているようです。

ブレーキ操作に不安があるのは怖いので、最初から対処してしまいます。

私が選んだのは「Mr.Control」から出ている「RL-85EC V-BRAKE ROLLER」の使用。



通常のVブレーキのブレーキバナナと置き換えて使う「ブレーキワイヤーの引き代を調整するメカ」です。

ブレーキバナナと同じく、ブレーキレバーから入ってきたワイヤーの方向を90度曲げる機能がありますが、その途中にある偏芯プーリーがこれのキモ。

ワイヤーの動きに合わせて摩擦でこのプーリーが回転、ワイヤーが触れている部分の半径が変わることで、ワイヤーの引き量が変わる…という代物です。


ネットで買うと600円くらいから。


似たような商品にProbremSolversのTravelAgentがあって、そちらは3000円弱。
やってる事はほとんど一緒みたいなのに、一体何が違うのか?







いろいろ調べたり、近所の自転車屋で実物を眺めた結果、構造と作りに差があるようです。

やってる事はプーリーによる引き量の変換とワイヤーの方向転換なので同じですが…。

【トラベルエージェント】


トラベルエージェントは大小二つの滑車が重なって一体になったプーリーが使われています。

ブレーキワイヤーはガイドに導かれ、小さいプーリーに入って半周。
そこから大きいプーリーに出てさらに半周。
ぐるりとプーリーを一周してブレーキ本体にたどり着きます。

プーリーの中心軸は常に真ん中にあるので、ワイヤー引き量の変換比は一定。

本体はアルミの削り出しっぽい。
削り出しなら、ひとつ3000円も納得いきますわ。
精度感とでもいいましょうか、ちょっと良いものな雰囲気が出てます。


【V-Brake Roller】
翻って、私が使っているV-Brake Roller。

こちらは芯をずらしたプーリー1つ引き量変換を実現しています。

ブレーキワイヤーの引き量に応じて徐々にプーリーの半径が大きくなるので、ブレーキレバーを握って行くと、変換量がだんだん大きくなります。
つまり制動力がだんだん立ち上がります。

本体はアルミの鋳造にメッキ?でしょうか。
トラベルエージェントと比べるとボテっとしてます。







このV-Brake Roller、レビューが見つからず、ちょっと不安になりながら導入しました。

使ってみて分かったのは…ちゃんと使えますが、ブレーキタッチはふわふわしています。

もともとタッチはフワフワしていましたが、より一層ふわふわするようになりました。どう調整してもかっちりしたタッチにはならず。引き量変換をプーリーとブレーキワイヤーの摩擦に頼っているせいかな。

今思うとフラットバーの頃はまだカッチリしてたんだなぁ。

また、フラットバーの頃には普通に出来た「ブレーキを使ってのジャックナイフ」が出来なくなりました。ちゃんと止まりますが、制動力の最大値は明らかに下がりました。


それから、ブレーキシューとリムの間隔はかなり狭いです。
現状、1mmくらいしか隙間がありません。

ホイールがちょっとでも振れると擦ります。

フラットバーの頃はもう少し余裕があったのですが、これ以上開けるとしっかり効きません。
まぁこんなものか。


軸がずれたプーリーは見た目にはすごい変換比のように見えますが、実際にはワイヤーが滑って勝手に居心地の良い所に収まります。思った以上に摩擦だけでちゃんと同調して回るんですね。ちなみに、ブレーキレバーを握ってもプーリーは30度くらいしか回らない。


なので、見かけほどの変換比にはならず。

もっと言えば、このプーリーが丸い必要はありません。
軽量化!とか言うなら上半分は不要。
変な手間数を増やすと製造コストが上がる上に、見た目が気になっちゃうからこの形をしているんじゃないかしら。 

関係ないですが…インナーチューブが汚いな。


現状では「ちゃんと使えるけど最高ではない」ってところでしょうか。
もう少し調整を試みたいと思います。

トラベルエージェントを使った事がないのでエラソーな事を言えませんが、構造からしてコントロール性能やタッチはトラベルエージェントの方が優秀な気が…。

ただし、V-Brake Rollerはお値段5分の1。
前後両方に装着することを考えると、5000円以上安上がりですね。


聞くところによると次期型SORAのSTIは純正でVブレーキも引けるらしいので、余裕のある方はそちらも検討したらいいと思います。ショートアームVブレーキもコンポーネントに含まれるそうな。ひぇー。

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(2012/11/29)追記
新型SORAのSTIではなく、フラットバー用のブレーキレバーがV・カンチ切り替えのレバーストロークを持っているみたいです。

現在はロード系コンポからシマノ製ミニVブレーキが実際に販売されてます。

《即納》【土日祝もあす楽】SHIMANO SORA シマノ ソラ BR-R353[クロスバイク...


(2013/5/10)追記
結局うわさのSORAコンパクトVブレーキにしました。
記事はこちら。