受験体験記 その40【やまださん】 | 東大SPHを目指す貴方へ

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東京大学 公共健康医学専攻 (SPH:公衆衛生大学院)の卒業生有志による、入試対策法・学生生活・キャリアプランについて綴っているブログです。
東大ひいては日本国内でMPH(公衆衛生修士号)取得を目指されている皆様のご参考になれば幸いです。

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総管理人のTootsie Rollです。

▼▼▼▼▼7月15日23時58分追記▼▼▼▼▼
本日の受験体験記の前に、受験生の皆様へ業務連絡がございます。
2016年度と2022年度の以下の問いについて、受験生よりご指摘がありました。

2016年度 択一式 問29: 解説文のマイナー変更
2022年度 択一式 問34:解答・解説共に変更。

既にDLされている方はお手数ですが再DLをお願いします。
(2016年度のはそこまでする必要ないかもしれませんが)
▲▲▲▲▲追記終わり▲▲▲▲▲


2020年度(2019年8月実施)の受験生の方の体験記です。
今になって遅れて掲載することになった理由は7月12日の記事をご参考ください。




第40弾はやまださんの体験記です。
(回答日:2019/09/06)

受験年・コース・合否結果
2019年8月入試 (2020年4月入学) 2年コース 合格

年齢
30代

卒業学部
他大 医療系学部 (医学科以外)

東大SPH受験は
初めて

受験時の職業
その他コメディカル (看護師・保健師・介護士・その他)

併願校
その他: 慶應

東大SPHを受験した理由 (公衆衛生学を志した理由)
医療の質管理、病院システムの改善に関心がある。病院マネジメントでは医師といかに協働するかが重要。そのために、公衆衛生を学ぶことで、量的データを扱うスキル、医療や健康に関わる人々が共通して身につけておくべき知的基盤といったテクニカルスキルを習得したい。加えて、その過程で坩堝に揉まれる経験を通して、多くの人々と協働できるヒューマンスキルを身に付けたい。

研究テーマ
臨床疫学、リアルワールドデータの解析

東大SPHのここがオススメ
環境(物理的、人的)。学生と教員の熱意。コスト。
都内他大MPH学生に話を何人か聞きましたが、地道な努力がややかっこ悪いというというか、「努力を見せない」タイプの人が

将来のキャリアプラン
病院でのマネジメント役割、領域横断的な分野(感染、安全、質管理など)。転職 医療ビッグデータの解析、疫学経済学を活かせる分野。

受験勉強法 (勉強期間、推奨参考書、解いた過去問の年数・周数、失敗談など)
過去問は3年分を4周。資料、図書はtootsie rollさんの推奨図書と公開していただいた資料。他はウェブで調べていらうちに見つけた論文、WHOのような機関が出しているガイドラインや総説などを読む。


英語-本格的には6ヶ月
海外オンラインを考えていたため主にTOEFL対策をしていた。6月に74点まで取れて以降は中断、リスニング、シャドーイングは続け、過去問と論文(入試関連分野)読み。

統計-4ヵ月
受験を決めた日からスタディサプリに申し込み、中学数学→高校数学の復習を始めました。しかしそれで時間を費やしてしまったため、得点は底辺レベルと思います。医療統計や疫学のセミナーに参加したので簡単な概念はわかりRで簡単な操作はできますが、自力で統計問題をとくレベルにありません。いつか数学が必要になると思いながら避けてきたことで、辛い思いをしました。これから半年で少なくとも合格点レベルまでは学習し、講義についていけるようにします。

公衆衛生基礎
過去問のみ。学部のゼミが医療制度政策・経済学の先生についていたこと、病院で退院支援に関わっていたこと、昨年医療制度概論を大学院の講義で学ぶ機会を得たことなどから基礎知識がすでにありました。過去問はバツの選択肢についても説明できるように取り組み。


専門科目
疫学、公衆衛生調査論 わかりやすい疫学EBN、を3周ほど読みました。キーワードの概要や異なる概念の対比について問いをつくり、口頭で説明する、というサイクルを続けました。

精神保健
公衆衛生がみえる、で概要を把握した程度、ほか過去問。関心領域だったこと、学部のゼミの先生が精神科医でもあったことから、耳学問の積み重ねがあったため、相性が良かった。

健康教育
過去問のみ。

面接で聞かれたこと、受け答えた内容
志望理由&なぜ公衆衛生を選んだのか→医療という縦割りで変化しにくい社会を改善していくためには、領域横断的な活動のできる資質のある人材が必要と考えるため。MPHのコンピテンシーがまさにそれ。さらに、医療を動かすには、非MDは医師と知的背景と言語を共有することが大切で、これもMPHのコンピテンシーに含まれる。看護学でなく、公衆衛生で学ぶのはそのため。
私が病院から派遣された慶應大学健康マネジメント研究科のケースとデータに基づく病院経営人材育成プログラムでの学びから、以上のように考えた。

今の年齢でなぜ進学を考えたか(30代前半です)→看護学で関心領域がなく、むしろ医療全体を考える視点を得たいと常々考えていたから、病院での役割が広がる中で今のタイミングだと考えた。

医療安全に関心があるようだが、専門的に学ぶ機会SPHでは得られないが?→構わない。小論文で医療安全を出したのは、cross-cutting activityの困難さと人材育成の必要性を論じるため。

なぜ東大か、病院経営という視点では他大学が良くないか?千葉、九州など。→病院管理、病院経営に関われる職位にいま実際にはいない。今学ぶべき専攻ではない。東大は卓越した人も環境も卓越していて、教員の一体感も他にない。

医療安全推進のためには、行動変容が必要だがどう考える?→その通りで、人はデータや事実だけでは動かない。相手に合わせた打ち手が必要。そこに理論的な裏打ちも必要だし、コミュニケーションスキルももっと重要。SPHという学びの場はそれが習得できる。

もう少し身近なレベルで安全の文化を作っていくために必要なことは?→文化は、トップダウンではできない、という出発点に立つべき。ルールづくりはほんの出発点で、一人ひとりが従えるように指示ではなく支援をする必要がある。それは上下の関係の中でも必要だし、お互いが横の関係で声を掛け合うサポーティブな取り組みの継続の上に文化ができると思う。




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