国内MPHに足りないもの | 東大SPHを目指す貴方へ

東大SPHを目指す貴方へ

東京大学 公共健康医学専攻 (SPH:公衆衛生大学院)の卒業生有志による、入試対策法・学生生活・キャリアプランについて綴っているブログです。
東大ひいては日本国内でMPH(公衆衛生修士号)取得を目指されている皆様のご参考になれば幸いです。

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以前、MPHを取る意義について、

・幅広い知識と考え方を身につけること
・仲間とのネットワークを広げること


の二点を挙げさせて貰ったことがあります。
この考えについては今でも全く変わっておらず、
数多くの受験生の皆さんには、この2点を強調してSPHの魅力を伝え続けています。


ところが先日、Twitter上で「日本国内のMPHに足りないもの」について議論する機会がありました。
実際に海外でMPHを取られた方や医師の方なども交えた議論で、思った以上に白熱しまして、
過去ログ入りさせるのももったいないので、その時に上がった声を箇条書きにしてみました。


【問題点】
・SPHの内容は座学メインで、研究などの実践を積むには何だかんだでPh.Dや現場経験は必要。
・MPHはMD(医師)のような「資格」ではないので、MPH取得後のキャリアに不安を感じる人は多い。
・よって「バイトの副収入」が可能な医師はともかく、非医師にはSPH受験そのものの敷居が高い。
・東大SPHでも「SPHに医師ばかり集まるのは問題だ」と言う教員からの声が聞こえたり・・・。
・就職や昇進の可能性を上げるような、MPHホルダーの優遇制度がない。
・MPHの肩書を利用してエビデンスのない「トンデモ医療」や「健康食品」を推奨する者が稀にいる。
・東大やらハーバードだったりすると付加的に「説得力」を持ってしまい、尚更タチが悪い・・・。





【解決案】
・現在、厚労省や保健所など「役所」ではMPHを必須としておらず、ここから見直すべき。
・全員MPH必須にしなくても、せめて「MDがなければMPHを必須にする」でも良い。
・そうすれば、医師以外の優秀な他職種(かつ多職種)が集まり、色々な切り口で問題解決ができる。
・そもそも厚労省(特に医系技官)志望者が少ないことを何とかせねば、MPH優遇制度も意味がない。
・「トンデモ医療」やら「健康食品」への対抗手段にもまた「肩書」は必要かも。
・つまり、出身SPHのブランド(やMDなど免許)は、使い方次第で武器にもなる(いわゆる錯覚資産)。



一応、用語解説:
・MPH = 公衆衛生学修士号 (Master of Public Health)
・SPH = 公衆衛生大学院 (School of Public Health)
・MD = 医学部卒の学位 (Medical Doctor) ≒ 医師免許


と言ったところでしょうか。

やはり、MPHホルダーと非ホルダーの差別化が足りないのは問題ですね。

そして、両者の差別化を図るべきご時世だからこそ、MPHの肩書を利用してデマ情報を流してMPH全体の信頼を失わせるような真似はしないよう、我々卒業生も気を付けなければなりませんね・・・。













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