新酒と前酒造年度酒の両方が出荷されている時期 | 俳句銀河/岩橋 潤/太宰府から

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今月6日、福岡県筑紫野市にある大賀酒造の春の酒蔵開きに行った。

 

 

かつては大吟醸酒/純米大吟醸酒が一番好きだったが、近年は吟醸酒/純米吟醸酒特別純米酒が好みになってきて、今回の酒蔵開きでも玉出泉 純米吟醸 新酒が一番の目当てだった。

 

試飲すると、今回の新酒はフルーティーな風味の中でバナナの要素が例年になく出ていて、メロンやマスカットの要素を上回っていた。

 

今回はこんな新しい風味で出来たんだなぁとの感慨を抱き、4合瓶を買った。

 

今週はそれを楽しんでいるところ。

 

 

瓶の首に「新酒」のラベルが貼ってある。

 

製造年月(出荷に向けて瓶詰めされた年・月)は 24. 04 とあるので、酒蔵開きの直前に瓶詰めされたことを示す。

 

 

この玉出泉 純米吟醸 新酒は、今年1月下旬に醪の発酵を終えて出荷が始まった。

 

2023年秋に収穫された原料米(福岡県オリジナルの夢一献)を使用し、寒造りで仕込んだもので、酒造年度は2023(2023酒造年度は2023年7月1日から2024年6月30日まで)。

 

今、酒販店では玉出泉 純米吟醸 新酒の他に玉出泉 純米吟醸も販売されていて、その瓶の首には2023年7月の「第11回福岡県酒類鑑評会」における「金賞受賞」のラベルが貼ってある。

 

 

その玉出泉 純米吟醸は2022酒造年度のもので、2023年1月下旬から瓶詰め・出荷が始まり、貯蔵期間は今日の時点で既に1年3か月近くになっている。

 

日本酒は、発酵を終えた後の貯蔵期間中に熟成が進んでいく。

 

熟成によって夏には新酒の頃よりも風味が落ち着き、秋からは次第に枯れたような独特な風味になっていく。
 
秋、特に9月に出荷される生詰め酒の「ひやおろし」は、この枯れたような風味への変化の始まりを楽しむもの。
 

更に冬そして春に熟成は一段と進み、7月1日からは「古酒」とよばれる。

 

各地の蔵元の酒で古酒になっても出荷が続くものは一部で、2023酒造年度のほとんどの酒は例えば2024年1月下旬から出荷が始まると、品切れにならない限り2024酒造年度の最終日である2025年6月30日まで、およそ1年5か月の間出荷される。

 

蔵元によって貯蔵の条件が微妙に異なり、熟成期間による風味の変化の度合いにも違いが出る。

 

大賀酒造の品は貯蔵期間による風味の変化が比較的大きい。

 

そのため、今出荷・販売されている玉出泉 純米吟醸 新酒(2023酒造年度)と玉出泉 純米吟醸(2022酒造年度)は全く違う風味。

 

以上のように、今の時期は各地の酒蔵から酒造年度の異なる酒が出荷されているので、日本酒に詳しくない人が購入する際には間違えないように。