飲酒運転の都道府県ランキング | 俳句銀河/岩橋 潤/太宰府から

俳句銀河/岩橋 潤/太宰府から

自作俳句、太宰府、科学、音楽、オーディオ、吟醸酒、写真など
閲覧にはパソコン(デスクトップ、ノート、タブレット)を推奨
単なるフォローバック目的のフォローはお断りします

昔から「飲んだら乗るな 乗るなら飲むな」の標語があるが、アルコール飲料を飲まずにはいられないアルコール依存症の人がいる限り、命の大切さをいかに声高に訴えても飲酒運転はなくならない。

 

毎日のように飲酒運転による事故のニュースがあるが、ドライバーの飲酒運転の傾向について都道府県によって差があるのかどうか調べてみた。

 

すると、ダイヤモンド社のオンラインサイトに2021年4月14日付けで「飲酒運転が多い都道府県ランキング」が掲載されていたが、そのデータは2019年のものだった。

 

改めて、2019年の各都道府県における検挙件数を警察庁ウェブページ「年間の犯罪」(リンク)から、2019年10月1日現在の人口を政府統計ポータルサイト「e-Stat」(リンク)から入手し、エクセルで計算して表(以下に掲載)にまとめると、ダイヤモンド社作成の表と完全に一致した。

 

検挙件数には飲酒運転事故だけでなくパトロール・検問・通報等によるものも含まれる。

 

2019年における全国の飲酒運転検挙件数(車両等の違反)は 25,434件、うち飲酒運転事故は 3,047件で全体の 12% に過ぎず、大部分はパトロール・検問・通報等によるものであることが分かる。

 

検挙件数 ÷ 人口(単位:千人)= 千人あたりの検挙件数(検挙率)。

 

となり、注目すべきはこの検挙率

 

検挙率が高いほど飲酒運転の傾向が強いことを示すが、警察が検挙に積極的な都道府県ほど数字が大きくなりやすい点に注意。

 

ワースト1位の沖縄県とベスト1位の東京都とでは20倍以上も違う驚きの結果。

 

各都道府県における公共交通網(鉄道・バス)の充実度の差も影響しているか。

 

 

 2019年の飲酒運転検挙率のワースト順位  

 

 

<参考> 福岡県における飲酒運転の検挙件数の推移
 出展: 警察庁ウェブページ「年間の犯罪」(リンク
 2016年 1,291 (2017年10月発行「平成28年の犯罪」より)
 2017年 1,293 (2018年  9月発行「平成29年の犯罪」より)
 2018年 1,195 (2019年  9月発行「平成30年の犯罪」より)
 2019年 1,263 (2020年  9月発行「令和 元年の犯罪」より)・・・上表と一致
 2020年 1,136 (2021年  9月発行「令和  2年の犯罪」より)
 2021年  920 (2022年10月発行「令和  3年の犯罪」より)

 2022年 1,154 (2023年10月発行「令和  4年の犯罪」より)

上表と照合すると、ダイヤモンド社が2021年4月14日にオンライン掲載したデータは2019年における検挙件数だと分かる。

2020年に関する警察庁の統計が発行されたのは2021年9月であり、ダイヤモンド社はまだ2020年のデータを入手出来なかった。

 

 

福岡県では、2006年に起きた「海の中道大橋飲酒運転事故」以降、行政・警察・県民による飲酒運転撲滅運動が推進され、飲酒運転の検挙や報道が積極的に行われてきた。

 

そのため、いまだに福岡県での飲酒運転検挙のニュースがインターネットに掲載される度に、「また福岡県・・・」と言う人々がいる。

 

しかし、上表の通り、福岡県の検挙率はワースト20位で、前後の年のデータを合わせても、福岡県民の飲酒運転の傾向は特に高くはない。

 

例えば、ワースト2位の茨城県は、福岡県と比べて検挙率が 2.1 倍も高いが、福岡県での検挙のニュースに比べて茨城県での検挙のニュースはほとんどインターネットでは見ない。

 

このような報道におけるバイアスを知らずに福岡県民に飲酒運転のレッテルを貼る人々は、情報を含めた物事の真偽を見極める能力が低い(情報リテラシーの欠如、情報弱者)。
 
災害時のデマやフェイクニュースの拡散に安易に加担してしまうのもそのような人々である。
 
 
続報記事

 

 

<他のランキング記事>