過去に類を見ないほど危険な台風とよばれた14号は、鹿児島市付近に上陸した後、九州を縦断した。
台風が予想されていた進路よりも少し東の経路を北上して福岡県に到達したことが、福岡県にとっては幸いだった。
<台風14号の経路(青線)/ 気象庁のホームページより転載>
予想されていた進路(赤線)を追加した
福岡県太宰府市は、9月18日の18時頃から翌19日の14時頃までの約20時間も暴風圏内にあったが、風雨による被害はなかった。
以下、備忘録。
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台風14号は最盛期には中心気圧 910 hPa と猛烈な勢力に発達した。
当初の予想(上図の赤線)では、鹿児島県のすぐ西の海上を北上し、熊本県天草地方に接近した後、長崎県南部に上陸すると見られていた。
しかし、18日の19時頃に鹿児島市付近に 935 hPa の非常に強い勢力で上陸した。
気象衛星ひまわりによる、18日19:00の雲頂強調画像
鹿児島市付近上陸時点では、台風の目を中心として円状に発達した積乱雲の領域(赤色部分)が見られる。
しかし、上陸したことによって海面からの水蒸気の供給が格段に減ったために、台風の勢力が下がっていくことになった。
台風は鹿児島県西部を縦断した後、いったん熊本県西岸から八代海へ出て、島原湾から有明海へと北上したが、いずれも狭い海域であるため水蒸気の供給不足が続き、台風中心付近の威力がさらに低下した。
鹿児島市付近に上陸してから八代海へ出るまでの間に、出水山地と国見山地を通過した影響も大きかった。
福岡県柳川市付近に再上陸した3時より少し前の2時半に私は目が覚め、外の音が静かなのに驚いた。
柳川市の約 45 km 北にある太宰府市では、風雨は治まっていた(台風の目に入った)。
気象衛星ひまわりによる、19日02:30の雲頂強調画像
台風の目の周りにあった発達した積乱雲の領域(赤色部分)は、2時半の時点で既に崩れており、九州では熊本県・大分県・宮崎県には見られるが、福岡県の大部分・佐賀県・長崎県にかけては見られない。
太宰府市で風雨ともに穏やかな状態は、吹き返しが始まる9時半頃まで約6時間も続いた。
台風の活発な雲の領域(青・緑・黄・赤色部分)が太宰府市から完全に東へ去ったのは7時頃。
気象衛星ひまわりによる、19日07:00の雲頂強調画像
台風14号は過去に類を見ないほど危険な台風として厳重な警戒が求められたが、太宰府市(福岡県)にとっては肩透かしの結果になった。
もし、台風14号が東シナ海から九州北部沿岸に到達していたら、甚大な被害が出ただろう。
<時系列>
18日
18時頃 太宰府市が暴風圏の北端に入った
19時頃 鹿児島県鹿児島市付近に上陸、北へ 20 km/h、中心気圧 935 hPa
22時頃 熊本県水俣市付近を北へ 20 km/h、中心気圧 940 hPa
八代市から八代海へ出て北北東へ進み、島原湾、有明海を北上
18日の太宰府市
最大瞬間風速: 22:10 に記録した東北東 20.8 m/s
降水量: 35.5 mm
19日
2時頃 福岡県大牟田市付近を北へ 20 km/h、中心気圧 960 hPa
依然として大型だが、勢力は「強い」に下がった
2時半 太宰府市の風は東 4 m/s 前後、直近1時間降水量 6.5 mm
台風の目に入り、風が一時的に弱まっている模様
3時頃 福岡県柳川市付近に上陸、北北東へ
太宰府市のすぐ南を通過後、すぐ東を北へ進んでいる
6時頃 福岡県飯塚市付近を北へ 15 km/h、中心気圧 970 hPa
太宰府市は台風の目の中にあり、風雨ともになし
7時頃 太宰府市はなお風雨ともになし
太宰府市は活発な雲の領域から抜けた
8時頃 北九州市付近を北北東へ 15 km/h、中心気圧 970 hPa
太宰府市はなお風雨ともになし
9時頃 山口県下関市付近を北北東へ 15 km/h、中心気圧 975 hPa、「並」の勢力に
9時半 太宰府市では吹き返しの西の風 6 m/s が始まった
10時半 太宰府市では西の風 6-7 m/s
13時頃 太宰府市では西北西の風 8-9 m/s
16時頃 福岡県全域が暴風圏から抜けた
19日の太宰府市
最大瞬間風速: 16:38 に記録した北西 18.7 m/s
降水量: 55.0 mm



