作品が発表の締め切りまでに完成せず、ひとまず現状品で発表しておいてから後で改訂品を出す。
あるいは、一度発表したものの、その後何らかの不具合や不満な点が見つかり改善した品を出す。
などなど、色んな理由で一つの作品にいくつかのバージョンが生まれることがある。
私が高校時代に映画館で観た 「宇宙戦艦ヤマト 完結編」 （記事リンク） は、ファンの間で幻と言われている 「35mm 版のうちの公開初日限定版」 で、公開初日に観た人だけが観られたという。
このような例を経験するのは滅多にないと思っていたら、松田聖子の LP レコードについて調べているうちに、６枚目のオリジナル・アルバム 『Candy』 にバージョン違いがあることを知った。
Wikipedia から引用 （原文ママ） すると、
発売初期にプレスされた LP、及びカセットテープでは 「ブルージュの鐘」 と 「黄色いカーディガン」 が現在流通している音源とは別バージョンとなっている。
差し替え前の 「ブルージュの鐘」 はボーカルが別テイク、「黄色いカーディガン」 はアレンジやコーラスが異なっている。
どちらも2015年2月時点で再音源化はされていない。
つまり、初期プレスより後の LP 、LP より少し遅れて発売された CD、そしてその後再発やリマスタリングされたすべての CD （SACD ハイブリッド盤を含む） では、上記の２曲は初期プレス LP とは別バージョンの音源が使用されている。
この、初期プレス盤とは、マトリクス番号が
Ａ面： 28AH-1494A1 および 28AH-1494A2
Ｂ面： 28AH-1494B1 および 28AH-1494B2
のものとある。
28AH-1494 とは、LP レコード 『Candy』 に付与された規格品番。
末尾の A1、A2 の違いは、Ａ面をプレスするにあたり、最初につくったスタンパーでプレスされたＡ面は A1 で、ある枚数プレスした後、次につくったスタンパーでプレスされたＡ面は A2、同様にスタンパーを新たにつくるごとに A3、A4、・・・となる。
従って、A1 と B1 はＡ面とＢ面それぞれの初回プレスを意味する。
私が持っている 『Candy』 の マトリクス番号を見ると、28AH-1494A1 と 28AH-1494B1 なので、初回プレス盤だ。
Ａ面のマトリクス番号 （画像では光の反射具合で A1 の A が見にくい）
