夜の空気はしっとりと湿り、

遠くの森のほうから

小さな雨粒の音が聞こえてきました。

チャップはお気に入りの

窓辺の椅子に丸まり、

カフェ・ルミエールの灯りがゆらゆらと映る庭をじっと見つめていました。


空には、丸さを少し失った下弦の月。

それでもなお、白金のような光を放ち、

柔らかな光はガラスを通してチャップの毛並みに溶けこんでいきます。


今夜の月は「蟹座」。

守り、癒やし、そして“心の居場所”を象徴する月です。


カフェのカウンターには、ラベンダーとタイム、そしてローズマリーが束ねられていました。

店主の凛が静かにハーブを焚き、

その香りが雨の夜気と混じり合い、まるで優しい子守唄のように流れていきます。


「手放すって、少し寂しいね」

凛が呟いたその声に、チャップは小さく尻尾を動かしました。

満月の輝きに照らされた夜を経て、

いまは“静かに心を整える”時。


チャップはゆっくりと目を閉じ、

思い出の中にいる誰かをそっと思い浮かべました。

遠い夜に消えた香り、

もう会えない誰かの手のぬくもり、

でも、そのどれもが今の“自分”を作ってくれたことに気づきます。


外では、雨が一瞬だけ止み、

雲の切れ間から下弦の月が姿をのぞかせました。

その光は、まるで“過去を包み込むように”優しく降りそそぎます。


「そうか、手放すって、なくすことじゃないんだね」

チャップの瞳に、月の光が反射します。

「心の奥にちゃんと残ってるんだ」


ハーブの香りが再び強くなり、

空気は清らかに、

そして少し甘く変わりました。

凛がハーブティーを一口すすり、

チャップの頭を撫でる。


「次の新月まで、静かに自分を整えようね」


その声に、チャップは小さく「にゃあ」と返事をしました。

月の光が二人を包み、

夜の時間は、穏やかに、

やさしく流れていきました。




🌙 蟹座下弦の月のメッセージ

・心を守り、

休ませる時間をつくりましょう。

・ローズマリーやタイム、

ラベンダーで心の浄化を。

・無理に動くより、「感じる」ことを大切に。

・過去を手放しながらも、感謝とともに胸に抱いて。




次回は「10月21日 てんびん座新月」。

新しい出会いと“調和の香り”がチャップのもとに訪れます。