「立つ鳥跡を濁さず」
これは、水鳥が飛び立った後の
清く澄んだ湖面を例えに出し、
引き際の美しさや、
後始末の大切さを説いた諺です。
この諺は、江戸時代の井原西鶴の著書『西鶴織留』に
逆の内容で綴られたことにより、
広く一般に知れ渡ったそうですが、
ある老舗の女性店員が、
女将から意地悪をされた腹いせに、
お店の釜にヒビを入れたり、徳利の口先を割ったり、
雪駄を便所の屋根に放り投げるなど、
散々な迷惑をかけて辞めたそうです。
後にこの女性はよい仕事や、良縁にも恵まれることなく、
散々な人生を歩むことになったそうで、
西鶴の作品はこの実話を元に書かれました。
感謝の心で去るか、
迷惑をかけて後を濁すような形で去るか、
それが次の境遇を決める(引きずる)ということです。
これを日々の仕事や生活に当てはめると、
仕事の終わりや、一日の終わりに、
デスクやその周辺や部屋の後片付けに努めると
一日の心の整理がつき、
翌日のスタートが快く切れます。
良い仕事も良い人生も、
感謝の後始末にその秘訣があるようです。
美しい後始末をして、
次の仕事や明日の未来につなげましょうね。