大勝軒の創業者、山岸一雄さんが先月お亡くなりになりました。
享年80歳。この世に「つけ麺」を広めた功労者です。
多くの人に惜しまれながら、彼は天国へ旅立ったわけですが、
なぜ、いちラーメン屋の店主がこれほどまでにクローズアップされるのかというと、つけ麺を発案したからだけではありません。
彼のお人柄ですね。
山岸さんは、つけ麺の作り方、レシピを教えてと尋ねられると、隠すことなく全て教えていたといいます。
たとえ見ず知らずの人から電話で教えてくださいと頼まれても丁寧に教えていたという。
そして、お店で働く若者が独立したいと言えば、喜んで送り出した。
でも、多くのお店や会社の経営者は、このような行為が出来ない。
「なんで見ず知らずの人に大切な情報を教えなければいけないのか?」
「他に秘訣を教えたら自分のところの売り上げが下がる」
「今まで散々面倒見てやったのに辞めていくのか?」
などと感情的になってしまうのが一般的。
だから、この世の中に成幸者が少ないのもうなずけますね。
どうしても、損得勘定で考えてしまう。
「損した!」
「得した!」
毎日のように、そんなことで一喜一憂して生きています。
でもこのような意識で、たとえ成功したとしても長続きすることは無く、幸せな成功も手に入れることはできません。
必ず、ある時沈んでいく。
世の中、不思議とそのように出来ているのです。
だからと言って、意識が変われば幸せな成功がすぐ訪れるとは限りませんが、遅かれ早かれ必ずやってくるのです。
もしかしたら、成幸が訪れるのが死ぬ直前かもしれません。
それでもいいじゃないですか。
結局、人間って、最後の息を引き取る前に「本当に自分は幸せだった」と心から思えればそれが一番なのですから。
こういう人は、亡くなった後、必ず惜しまれますし、この世に本当の価値を残していく人です。
そう、大勝軒の山岸さんのようにね。
-----------------------------------------