現状


食品安全のためのニーズが急速に高まる中


養豚獣医師の不足のため


それにあった「定期訪問」が


まだ一般化出来ておりません。




養豚業界で定期訪問が出来るようになるように


関係者が働きかけることで


より生産獣医師の活躍する場所が


出来て、この業界に安心して入ってこれるようになると思います。



そして、


養豚産業の中で、獣医師が関わることでの


メリットがはっきりと出てきており


生産者の食品安全へ・健康な豚を育てるといった意識の高くなる中


獣医師(コンサルティング)を必要とする農場は確実に増えてきております。


つまり、農場からのニーズや潜在的必要性は十分にあるということです。




現在、養豚コンサルティングを受けることが


義務でないので


このことを受けて


養豚獣医師のもとに依頼がくるか、


営業をするか、というのが現状です。





ですから、


獣医師のやる気と実績と評価が、


そのまま売上につながるわけです。




この辺は、動物病院を経営することと根本的には一緒です。


違う点といえば、養豚獣医業は、


経営者の方と直接やりとりすることが多いので


そういった意味での見識は広がることくらいでしょうか。




この「養豚獣医師」の仕事は、


15年くらいかけて先輩獣医さんの努力で


存在が知られるまで大きなものになりました。




今後、もっともっと


産業獣医師の役割は大きくなっていくでしょう。







おもしろそう!と思った方は、


ぜひ、近くの養豚獣医さんのところまで


お話を聴きに行ってみてください。


日々、養豚業界は進化していっています。


獣医師としての幅が広がりますよ。






安全な食肉を世に出すこと は 


生産者の方がやるのですが



公衆衛生上の問題で


衛生指導責任という点で、獣医師の役目があります。




たとえば


安全な食品って何でしょう?




・・・なんか、漠然としてませんか?




では、


安全ではない食品ってどんなものが思い浮かびますか?



私が浮かんだもの


毒入りギョーザ

なんか明らかに色がくすんだ肉(にがかったりします)

黄色ブドウ球菌入り牛乳とか

肉の中から針が出てきたとか!

ガラスの破片が出てきたとか!



その他に、安全じゃないんじゃないか、と不安になる食品ってあります?



食品偽装とかされると、何を信じて良いかわからなくなりますよね。。。




食品偽装はモラルの問題で、もってのほかなのですが、


次々出てきて、モラル崩壊の時代なのは、別の問題として。





安全じゃない肉の生産


そういうことが起きないように


農場内のリスクを分析して


事故が起こらないように


予防手段を用いて対処するのが


農場HACCPです。




なんか、長くなりそうなので


また次回。






血液検査。


血液を使って、いろんな疾病の抗体があがっているか、病気によってはPCR法で検査することがあります。



国家試験とかにも出てくるかもしれないので

だいたい調べてもらう検査は


AD(オーエスキー病)

PRRS(豚繁殖呼吸器症候群)

APP(胸膜肺炎)

MPS(マイコプラズマ)

豚丹毒

日本脳炎

豚パルボ

豚インフルエンザ



ざっとこんなところでしょうか。



最近は、PCV2(豚サ-コウイルス2型)というウイルスが悪さをして

事故率50%ということもありました。


で、このウイルスの検査は


抗体検査だと、過去に感染があったことしかわからないので


リアルタイムPCRという方法を使います~


ようやく、いろいろわかってきたところです。。。(つづく)





検査するには、血液を抜かなければなりません。



豚の血液検査は、


抗体価上昇から、○○日齢で、この疾病が感染している。

だから、ワクチンは感染が起こる前に効果が出る××日齢にしましょう。



ということを伝えるために必要なので


農場にいる豚の日齢、各ステージにわけて


繁殖豚(まだ子供を産んでない豚、1産、2産、3産・・・と)産歴ごと

子豚 哺乳豚、離乳子豚(30日齢)、 60日齢、肥育豚90日齢、120日齢、150日齢


という感じで


1ステージ4~5頭くらい採血します。



すごいね~~~


一回、通算50頭くらいいくことになります。






採血ですが


頚静脈から抜くのですが、豚は、血管が浮き上がりません。(T_T)



なので、最初慣れないうちは、


保定器で抑えてもらって(もちろん自分で保定することもあります)


めくらうちです。






慣れるまで、時間がかかりますが、


最初失敗しても落ち込む必要はありません。


お隣でやってくれているベテランさんも、必ず同じ経験や失敗をしています。

(不名誉だと思って教えてくれないかもしれませんから、無理に聴こうとしないこと)


ようは、いかに気にしないで、マイペースで、豚とコミュニケーションが取れているかです。




あんまりぶすぶす刺すと、


子豚があとで内出血をして


死亡することがありますので、ご注意を。


私は、わかっているだけで、一頭死亡させてしまいました。


農場の方からそれを聴いて、頭が凍りました。


心から謝罪し、


それ以降は、今のところありません。(私に入ってくる情報ではね)




特に、暴れる豚の場合は


無理やり押さえずに


豚を取り換えてやりましょうねっ




自分が危険です。





慣れてくると、


すいすいすいっと出来るようになってきます~(^-^)


こうなると、豚さんもストレスが少なくなってきます。





まあ、これも、ハードルのひとつです。


でも、採血が出来るだけで、大きく農場に貢献できるのです。


抗体価がわからないと、ワクチンプログラム決められないしね。



やればやるほど、役に立ちますねえ☆