「NHK100分de名著伊勢物語」を観た! | とんとん・にっき

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「NHK100分de名著 伊勢物語」を観ました。解説は作家の高樹のぶ子、「小説伊勢物語 業平」の作者です。11月、計4回の放映です。

 

番組の最後に、高樹のぶ子は言う。

古典を学ぶと思わないでいただきたい。

勉強じゃないんです。

古典は楽しむもの。

どうすれば楽しめるのかというと、

今の時代に引き寄せて解釈するのではなく、

その時代に飛び込んで行って、その時代に浸って、

その時のあらゆるものを味わう。

そこにもちゃんと人の愛があり、

男も女も生きていましたということですから。

 

 

NHKテレビテキスト「100分 de 名著」

  『伊勢物語』 2020年11月

  2020年10月25日発売

 

以下は、NHKのホームページから。

 

プロデューサーAのおもわく

王朝の雅とロマンを伝える歌物語として知られる「伊勢物語」。男と女の愛やすれ違い、旅先での鮮烈な風景、親子愛・主従愛・友情といったさまざまな愛の形……125の章段に華麗な物語と歌が綴られています。この作品は、一歩深く読み解いていくと、古典という枠組みを超えて、恋愛の奥深さや物事を深く味わう力、コミュニケーションの機微を教えてくれる、絶好の教科書になります。そこで番組では、「伊勢物語」に新たな視点から光を当て、現代人にも通じる、豊かな人間関係の知恵を学んでいきます。
「伊勢物語」の多くの章段に共通する主人公と目されるのは在原業平(825-880)。平安初期を代表する歌人です。平城天皇の直系であり世が世ならば天皇にもなれたかもしれない業平ですが、さまざまな因果から臣籍降下。貴種でありながら権力の階段からこぼれ落ちた彼は、そのエネルギーの全てを女性への愛と歌に注ぎ込みました。「伊勢物語」は、いわば業平のラブストーリー集とも読めますが、その核には業平の人間的な魅力が満ち溢れています。
それぞれの女性の心に見事に寄り添っていく華麗なふるまい、男と女の情をつなぎ縒り合わせていく絶妙な和歌、女性だけではなく男性をも惚れ込ませる律義さ。「伊勢物語」からは、業平の「人間力」といったものが浮かび上がってきます。そこから現代人が学びとれることがたくさんあります。ただ、それだけではありません。業平と彼が強い影響を与えた藤原高子らの働きによって、当時の教養の中で支配的だった「漢詩の世界」から、その後の日本的な情緒のベースを形作った「和歌の世界」へと時代が動いていったさまも、物語から読み取ることができます。この作品を読み解いていくと、日本人の感受性のベースになってきた文化的DNAを深く理解することもできるのです。
番組では、「伊勢物語」の世界を小説化したことで知られる作家・高樹のぶ子さんを講師に招き、これまであまり知られることのなかった、新たな「伊勢物語」の魅力を浮かび上がらせます。

 

NHK Eテレ

月曜日 午後10:25~10:50

 

第1回 11月2日放送
   「みやび」を体現する男
第2回 11月9日放送
   愛の教科書、恋の指南書
第3回 11月16日放送
   男の友情と生き方
第4回 11月23日放送
   歌は人生そのもの

 

4回全部、しっかり観ましたよ。録画して観直したりもしました。伊集院光、4回、なんとか持ちこたえました。さて、「小説伊勢物語 業平」も、ちゃんと読んどかないと…。

 

第1回 11月2日放送
   「みやび」を体現する男

平安初期を代表する歌人・在原業平。貴種でありながら権力の階段からこぼれ落ちた彼は、そのエネルギーの全てを女性への愛と歌に注ぎ込んだ。その物語と歌の核には、業平の人間的な魅力がつまっている。それぞれの女性の心に見事に寄り添っていく華麗なふるまい、男と女の情をつなぎ縒り合わせていく絶妙な和歌には、現代人も学ぶことができる「みやび」が満ち溢れている。第一回は、一見軟弱でやさ男にみえる業平に秘められた、人間的な魅力に迫っていく。

 

第2回 11月9日放送
   愛の教科書、恋の指南書

藤原高子、伊勢斎宮・恬子などなど、高貴な女性たちと浮名を流した稀代のプレイボーイ、業平。彼はなぜ女性たちを虜にできたのか? 業平の和歌を読み解いていくと、その秘密がわかる。そこには、一人ひとりの女性の話をよく聞き、その女性の境遇に合わせて一番幸せになる方法を考えぬく業平の姿が浮かび上がってくる。単に自分の恋情を押し付けているだけではないのだ。第二回は、業平が繰り広げた数々の恋愛譚を「愛の教科書」「恋の指南書」として読み解く。

 

第3回 11月16日放送
   男の友情と生き方

業平は女性だけではなく男性にも愛された。紀有常、源融、惟喬親王……彼らは、なぜか出世争いからはこぼれ落ちた業平と深い友誼を交わす。優れた人への謙虚さ、真心への正直さといった業平の美質が彼らを惹きつけたのだ。挫折や人間関係のこじれ、世間から取り残される寂しさ……数々の憂いを抱えた男たちは、業平の情の細やかさや共感力、そしてそれらを見事に凝縮した和歌によって、癒され励まされていく。第三回は、業平が男たちと交わした友誼を通して、友情のあり方、上司との心の通わせ方などを考えていく。

 

第4回 11月23日放送
   歌は人生そのもの

業平が詠んだ晩年の和歌には、老いや死を飄々と受けとめる軽やかさがある。その裏には、業平流の「叶わぬもの」への対応、運命の受けとめ方があった。出世競争ではなく、和歌によって独自の地位を築いたともいえる業平。彼は人々の情を受けとめる持ち前の包容力と、豊かな和歌の力、文化の力によって、数々の難局を乗り越えていく。そのしなやかな生き方からは、生きづらい現代を生きるヒントを学ぶことができる。第四回は、歌そのものに凝縮されているともいえる業平の生き方に、苦しい現実を生き抜く知恵を学んでいく。

 

高樹のぶ子:

1946年、山口県生まれ。東京女子大学短期大学部卒業。80年に「その細き道」でデビュー。84年、「光抱く友よ」で芥川賞を受賞。『水脈』(95年)で女流文学賞、『透光の樹』(99年)で谷崎潤一郎賞、『HOKKAI』(2006年)で芸術選奨文部科学大臣賞、「トモスイ」(10年)で川端康成文学賞をそれぞれ受賞。09年、紫綬褒章受章。17年、日本芸術院賞受賞。18年、文化功労者に選ばれる。01~19年、芥川賞の選考委員を務める。20年、『小説伊勢物語 業平』を上梓。その他の著書に『百年の預言』『罪花』『マイマイ新子』『マルセル』『ほとほと』など。

 

「小説伊勢物語 業平」

2020年5月11日第1刷

著者:高樹のぶ子

発行:日経BP

    日本経済新聞出版本部

 

日経プレミアシリーズ

「伊勢物語 在原業平 恋と誠」

2020年10月23日1刷

発行:日経BP

    日本経済新聞出版本部

 

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朝日新聞:2020年10月28日