北海道立近代美術館で「カラヴァッジョ展」を観た! | とんとん・にっき

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「カラヴァッジョ展」チラシ2種

 

「カラヴァッジョ展」案内板

 

「北海道立近代美術館」

 

北海道立近代美術館で「カラヴァッジョ展」を観てきました。観に行ったのは、9月12日のことでした。

 

北海道と、名古屋と、大阪でしか開催されない展覧会。

東京はない、なんで~っ。で、行くっきゃない、北海道へ…。

 

図録に掲載された作品が、出品されない。

こんなことって、前代未聞ですよね。

観ることができない。これって、詐欺?

 

札幌会場に出品されなかった作品リスト

 

出品されなかった5作品

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「ホロフェルネスの首を斬るユディト」
大阪会場のみ出品

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「執筆する聖ヒエロニムス」大阪会場のみ出品

 

ジュゼッペ・アルチンボルト
「菜園家(野菜の諧謔)」
所蔵館の都合により不出品

 

オラツィオ・ジェンティレスキ
「聖ヒエロニムスの悔悛」
所蔵館の都合により不出品

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「ゴリアテの首を持つダヴィデ」
名古屋会場のみ出品

 

「カラヴァッジョ展」 見どころは下記の通り。 

 

見どころ その1  伝説の巨匠 イタリアの至宝
17世紀バロック絵画の開拓者であり、同時代および後世のヨーロッパの画家たちに大きな影響とインスピレーションを与えたカラヴァッジョは、西洋美術史における最重要画家のひとりにあげられます。イタリア芸術の至宝であり、国外への貸出は非常に厳しいともされる巨匠・カラヴァッジョの作品が、このたび来日します。 

 

見どころ その2  日本初公開! 衝撃の作品
38歳で生涯を終えたカラヴァッジョの現存作品は数少なく貴重なもので、その中でもこれぞカラヴァッジョともいうべき《病めるバッカス》(札幌会場のみ)《ゴリアテの首を持つダヴィデ》(名古屋会場のみ)《ホロフェルネスの首を斬るユディト》(大阪会場のみ)をはじめ、日本初公開を含め、各会場約10点が出品されます。(帰属作品含む) 

 

見どころ その3  天才にしてならず者 光と闇の相克
ルネサンス絵画を超え、天賦の才を示したカラヴァッジョですが、生来の激しい気性により周囲との争いや暴力沙汰は絶えず、ついには殺人を犯してしまいます。しかし罪を逃れて流浪する晩年にも数々の傑作を生み出し、その芸術は高い極みに達しました。本展では、栄光と狂乱に彩られる彼の激動の生涯にも注目します。 

 

見どころ その4  革新者カラヴァッジョの核心に迫る モデルや自然を緻密に見つめた迫真の写実、強烈な明暗表現、宗教や神話を題材としたドラマティックな場面の創出など、カラヴァッジョの斬新な画風は、それまでの絵画表現を大きく革新するものでした。本展では、彼に影響を受けた様式を展開した画家たち(カラヴァッジェスキ)や、同時代の個性派作家の秀作なども多数出品し、それらとの比較を通して、新時代を切り開いたカラヴァッジョ芸術の輝きと核心に迫ります。

 

展覧会の構成は、以下の通りです。

 

Ⅰ 1600年前後のローマにおけるカラヴァッジョと同時代の画家たち

Ⅱ カラヴァッジョと17世紀のナポリ画壇

Ⅲ カラヴァッジョ様式の拡がり

 

 

「カラヴァッジョ展」展覧会場入口

 

Ⅰ 1600年前後のローマにおけるカラヴァッジョと同時代の画家たち

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「病めるバッカス」1594年頃
ローマ・ボルゲーゼ美術館

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「女占い師」1596-97年頃頃
ローマ・カピトリーノ絵画館

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「リュート弾き」1596-97年頃
個人蔵(グロスタシャー、バドミントン・ハウス旧蔵)

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「メドゥーサの盾(第一ヴァージョン)」
1596-98年頃頃、個人蔵

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「瞑想するアッシジの聖フランチェスコ」1605-06年
カルビネート・ロマーノ、サン・ピエトロ聖堂
(ローマ、バルベリーニ宮国立古典美術館に寄託) 

 

アンニーバレ・カラッチ
「笑う若者の頭部」1580年代
ローマ・ボルゲーゼ美術館

 

ジョバンニ・バリオーネ
「聖ペテロの改悛」1600年
トリノ・サバウダ美術館」

 

ジュゼッペ・チェーザリ
通称カバリエーレ・ダルビーノ
「裸の男たちに助けられて急流を渡る
ディアナとニンフたち」1621-22年
個人蔵」

 

Ⅱ カラヴァッジョと17世紀のナポリ画壇

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「法悦のマグダラのマリア」1606年、個人蔵

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「聖アガピトゥスの殉教」1606-09年
パレストリーナ(ローマ)、司教区博物館

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「聖セバスティアヌス」1606年、ローマ、個人蔵

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「歯を抜く人」16-8-10年頃
フィレンツェ、ウフィッツィ美術館群パラティーナ美術館

 

バティステッロ・カラッチョロ
(本名ジョヴァン・バッティスタ・カラッチョロ)
「キリストの洗礼」1610年頃
ナポリ、ジロラミーニ協会絵画館

 

Ⅲ カラヴァッジョ様式の拡がり

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
「洗礼者ヨハネ」1609-10年
ローマ、ボルゲーゼ美術館

 

バルトロメオ・マンフレーディ
「カインとアベル」1620年頃
フィレンツェ、ウフィツィ美術館群
パラティーナ美術館

 

オラツィオ・リミナルディ
「ゴリアテの首を持つダヴィデ」1615-20年頃
トリノ、サバウダ美術館

 

作者不詳
「ミケランジェロ・メリージ・ダ・
カラヴァッジョの肖像」1617年頃
ーマ、サン・ルカ・国立アカデミー

 

「カラヴァッジョ展」

16世紀末、ローマに現れた天才画家ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ。圧倒的な描写力、強烈な明暗、観る者を引き込む生々しさ……。それまでの絵画の規範(きまりごと)を打ち破り、大変革をもたらしました。彼こそ、17世紀バロック絵画の幕開けを告げる革命児(パイオニア)だったのです。
北イタリアのミラノに生まれたカラヴァッジョは、13歳から絵画修業を始め、やがてローマに出てその画才を発揮します。少年像や風俗画の秀作、そして独特な視点と迫真の写実による宗教画の傑作を次々と制作、大評判となりました。まさにリアル、これぞ真実。その斬新な絵画に人々は衝撃を受け、熱狂したのです。
その絵画が型破りなら、その人生もまた波乱に富んだものでした。名声が高まるほど、素行は乱れ、ついに1606年には殺人を犯します。ローマから逃亡した彼は、南イタリア各地を流浪しつつ、深い闇をたたえた数多くの傑作を生み出し続けました。しかし1610年の夏、彼は熱病に倒れます。天才の栄光とともに、狂乱や無頼の伝説がつきまとったカラヴァッジョの人生は38歳で幕を閉じたのです。
本展では、イタリア国内の所蔵作品を中心に、10点あまりのカラヴァッジョ作品(帰属作品含む)に同時代の画家たちを加え約40点の傑作・秀作を公開します。激情と苦難に彩られながら、新時代の潮流を導いたカラヴァッジョの芸術の輝きをご覧ください。

 

「北海道立近代美術館」ホームページ

http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/knb/

 

「カラヴァッジョ展」

図録

責任編集:

小佐野重利

編集:

北海道立近代美術館

名古屋市美術館

あべのハルカス美術館

北海道新聞社

発行:

北海道新聞社©2019

 

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銀座テアトルシネマで「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」を観た!

東京都美術館で「ボルゲーゼ美術館展」を観た!

 

手元にある図録や書籍など

 

「カラヴァッジョ 

光と影の巨匠―バロック絵画の先駆者たち」

執筆・翻訳・監修:宮下規久朗

編集:朝日新聞社

    岡崎市美術博物館

    東京都庭園美術館

発行:朝日新聞社©2001

 

アート・ビギナーズ・コレクション

「もっと知りたいカラヴァッジョ生涯と作品」

2009年12月20日初版第1刷発行

2019年4月10日初版第7刷発行

著者:宮下規久朗

発行所:東京美術

 

とんぼの本

「カラヴァッジョ巡礼」

発行:2010年1月25日

著者:宮下規久朗

発行所:新潮社

 

「闇の美術史 カラヴァッジョの水脈」

2016年5月24日第1刷発行

著者:宮下規久朗

発行所:岩波書店