東京国立博物館・本館展示案内
いわゆる「常設展」にあたります。僕は必ず7室の「屏風と襖絵」をはじめに観ます。せいぜい3点の展示ですが、なかなか凝縮したものがあります。いつもは写真撮影不可の作品があるのですが、今回はめずらしく3点とも撮影可でした。
屏風と襖絵―安土桃山~江戸
展示作品3件
室内を仕切ることにより場を作り出し、空間を演出する機能を持つ屏風や襖には、権力を象徴し、場を荘厳するなどの目的のために、絵が描かれたり、書が揮毫されたりしました。ここでは安土桃山時代から江戸時代の屏風を展示し、これら大画面の作品によって生み出される空間の効果を感じ取っていただきます。今回は、桜咲く六条院での柏木と女三宮の邂逅を描く「源氏物語図屏風(若菜上)」をはじめ、春をテーマに描いた作品をお楽しみください。
「源氏物語図屏風(若菜上)」6曲1隻
伝土佐光則筆、 江戸時代・17世紀
「源氏物語」第34帖の名場面。六条院の庭で柏木らが蹴鞠に興じる。興飛び出した唐猫の*が御簾を開けるハプニング。隙間から覗く女三宮と柏木の目が思わず合い、二人は恋に落ちる。江戸初期、細緻で入念な画風を持ち味とする土佐派の棟梁、光則の画風に近い。
「犬追物図屏風」6曲1双
江戸時代・17世紀
犬追物とは弓術の作法をみがく伝統競技で、傷つけない細工の矢で走る犬をねらう。競技自体よりも、走り回る子ども、着飾った女性たちなど、周囲の見物人たちの豊かな風俗描写がみどころ。制作年の違う作品がどこかの時代でセットになり、現在は1双で伝わる。
左隻
右隻
「舞楽図屏風」6曲1双
狩野永岳筆、江戸時代・19世紀
右隻の春景、左隻の秋景を背景にして、京都御所の障壁画制作も行った狩野永岳が舞楽を描いた屏風。右隻には、大太鼓の左に数手、貴徳、**頻、胡蝶が、左隻には、右から採桑老、胡飲酒、林歌、蘭*王、納曾利の、華やかな舞が描き出されている。
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