三菱一号館美術館で「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」を観てきました。男の僕は身の置き場がないほど、さすがに女性客がほとんどでした。
ナポレオン1世と皇妃ジョゼフィーヌの御用達ジュエラーとして、ショーメは装飾芸術の傑作と 称される数多くの作品を世に送り出してきました。
と書きながら、僕はまったく「ショーメ」のことは知りませんでした。ましてや宝飾品のことは、まったく興味の外でした。が、観てみると、いわゆる「超絶技巧」の作品と、ほとんど変わりがないように見えます。いわゆる「職人技」です。洋の東西を問わず、共通したものがあります。
それにしても、女性たちには垂涎の的。
Ⅰ 歴史の中のショーメ
戴冠衣装の皇帝ナポレオン1世
フランソワ・ジェラール 1806年
皇帝ナポレオン1世より贈呈された教皇ピウス7世のティアラ
アンリ・オーギュスト(金属細工職人)
1804-1805(後世に数回修正)
ジョセフィーヌ」リング
ショーメ 2015年
Ⅱ 黎明期のミューズ
―(1)皇妃ジョセフィーヌ(2)王妃オルタンスと皇妃マリー=ルイーズ
ダイヤモンドとエメラルドのバリュールを着用した
ナポレオン1世の妻、皇妃ジョセフィーヌの肖像
ジャン=バティスト・ルニョー 1809年頃
麦の穂のティアラ
フランソワ=ルニョー・ニト 1811年頃
王妃オルタンスのオルタンシアのブローチ
ミト・エ・フィス 1807年頃
Ⅲ 戴冠!ティアラの芸術
「ロイヒテンベルグ」として知らられティアラ
ジャン=バティスト・フォサン 1830-1840年頃
ブルボン=パルマとして知られるフクシアのティアラ
ジョセフ・ショーメ 1919年
Ⅳ 旅するショーメ
―(1)時間旅行(2)水平線の彼方の新たな世界へ
ブロックヴィユ侯爵夫人の印章
フォサン・エ・フィス 1830年
ホープ・カップ
ジャン=ヴァランタン・モレル 1853-1855年
Ⅴ 自然を披露する
―(1)自然史(2)「この光輝く金と宝石の世界」(ボードレール)
タコのネックレス
ロベール・ルモワーヌによるショーメ 1970年
「ロアン・チョーカー」ネックレス
ジョセフ・ショーメ 1906年
Ⅵ 身につける芸術=ジュエリー
ストマッカーとしても着用可能なショーメのティアラを
身に着けた前田菊子侯爵夫人の写真
1929年
Ⅶ キネティックⅦⅦ・アートとしてのジュエリー
一対の「マンシーニ」髪飾り
フォサン・エ・フィスに帰属 1840年頃
Ⅷ 遥けき国へ―ショーメと日本
マリー・アントワネットの
日本の漆器コレクションの硯箱
ジョセフ・ショーメ 江戸時代
ジャポニスムのブローチ「雷神」
ジョセフ・ショーメ 1900年頃
「シャン ドゥ プランタン」バリュール:
ネックレス、イヤリング、ブローチ
ブレスレット、リング
ショーメ 2018年
「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」
パリのヴァンドーム広場に軒を連ねるジュエラーの中で、ショーメはもっとも長い歴史を誇ります。そして、1780年からその比類なきクリエイ ションでメゾンの優雅な礎を築き上げました。ナポレオン1世と皇妃ジョゼフィーヌの御用達ジュエラーとして、ショーメは装飾芸術の傑作と 称される数多くの作品に寄り添い、伝統を重んじつつ今なお革新性を追求し続けています。本展は、ルーヴル美術館名誉館長アンリ・ロワレット氏監修の下、18世紀後半から現代まで、約240年に及ぶショーメの伝統と歴史を紹介する日本初の展覧会です。ロマン主義、 ジャポニスム、アール・デコといった芸術潮流との対話の中で洗練された作品―ダイヤモンドのティアラやネックレス等の宝飾品と、未発表の歴史的なデザイン画や写真等約300点を展覧します。
作品解説リーフレット
朝日新聞:2018年7月5日