町田市立国際版画美術館で「浮世絵モダーン 深水の美人!巴水の風景!そして・・・」を観てきました。久しぶりの「町田市立国際版画美術館」、観に行ったのは、6月12日のことでした。会期は6月17日で終了しています。
「浮世絵モダーン」、惹かれますね、このタイトルに!浮世絵版画の復興を目指して大正初期に登場し、昭和10年代まで制作・出版された「新版画」と称する伝統木版を浮世絵モダーンと称しています。
展覧会の構成は、以下の通りです。
第Ⅰ章 女性―近代美人画の諸相
第Ⅱ章 風景―名所絵を超えて
第Ⅲ章 役者―歌舞伎から新派まで
第Ⅳ章 花鳥―求められる伝統性とその変容
第Ⅴ章 自由なる創作―さまざまな画題と表現
たくさんの見るべきものが多かったので、何回かに分けてブログに掲載します。まず初めに、太っ腹です、撮影可能な作品、これがけっこうたくさんありました。撮影してきたものを、2回にわけで載せておきます。
以下、撮影可能作品の一部(順不同)
「浮世絵モダーン 深水の美人!巴水の風景!そして・・・」
浮世絵版画は江戸から明治にかけての先端の風俗や流行、出来事、市井の話題などを常に新しい斬新な様式で表わした出版物であり美術作品でした。また市場経済と結びつき、庶民が鑑賞できる数少ない絵として流通していました。そのような浮世絵は、いってみれば、当時の庶民にとっての現代美術であったわけです。 浮世絵版画の復興を目指して大正初期に登場し、昭和10年代まで制作・出版された「新版画」と称する伝統木版(本展ではこれらを「浮世絵モダーン」と呼びます)もまた、同時代の芸術思潮と呼応しながら、女性たちの新しい風俗、明治以降にその魅力に気づかされた自然や都市の風景、新作歌舞伎や新派、新劇が普及した大正時代の歌舞伎俳優などを近代的感覚によって表した現代美術であったと見なすことができます。その作品内容は、同時代の絵画や彫刻、創作版画などと同様に、時代の表現動向と密接に関係していました。 本展覧会は、2005年に町田市立国際版画美術館が企画開催し、その成立と展開の見取り図を示した「浮世絵モダーン」展の第二弾として、以上のような視点をもとに、「浮世絵モダーン」が同時代の社会や芸術などと共鳴しつつ、何をどのように表現したかを探求することを目的として開催するものです。
「町田市立国際版画美術館」ホームページ
浮世絵モダーン
深水の美人!巴水の風景!そして・・・
図録
編集:滝沢恭司
村瀬可奈(町田市国際版画美術館)
東京新聞事業局文化事業部
発行:東京新聞 ©2018
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