出光美術館で「色絵 Japan CUTE!」を観た! | とんとん・にっき

とんとん・にっき

来るもの拒まず去る者追わず、
日々、駄文を重ねております。

「色絵 Japan CUTE!」チラシ


出光美術館へ最初にいつ行ったのかは定かではありませんが、平成8年11月11日第2版第1刷発行の「艶と粋―肉筆浮世絵展」の図録があるので、平成8年だとすると1996年、今から22年前ということになります。長い付き合いになります。最初にブログに書いたのが2006年9月27日、「風神雷神図屏風」を観たときの記事です。その後、できるだけ出光美術館の展覧会にはできるだけ観に行くようにしています。また、いつかは読もうと、展覧会の図録もほとんど全部買っています。

今回は「色絵」です。色絵は、古九谷・柿右衛門・鍋島といった磁器や、野々村仁清・尾形乾山の京焼に代表される、江戸時代に花開いたカラフルなやきものです。チラシをよく見ると「色絵 Japan CUTE!」あります。辞書ではキュートは「若い女性の、活発でかわいらしいさま。 」を言うようですが、日本語ではキュートもプリティも、どちらも可愛い、という意味で使っていますが、キュートとプリティはちょっと違うようです。ま、陶磁器も、カラフルで、可愛くて、楽しければいいじゃないですか。

展覧会の構成は、以下の通りです。

第1章 季節を祝う、慶びを贈る
第2章 ファッションと文学
第3章 Japan CUTE 世界を駆ける
第4章 かたち・色 百花繚乱
第5章 色彩茶会 カラフル・ティーパーティー


「色絵松竹梅文硯屏」古清水、江戸時代中期-後期

第1章 季節を祝う、慶びを贈る
左:「色絵熨斗破魔弓文皿」
古伊万里、江戸時代中期、サントリー美術館
右:「色絵花筏文皿」鍋島藩窯、江戸時代中期

「色絵桜藤花文鶴首徳利」古清水、江戸時代中期

左:「色絵石楠花文皿」鍋島藩窯、江戸時代中期
右:「色絵糸巻文皿」鍋島藩窯、江戸時代中期


第2章 ファッションと文学
左:「色絵蔦葉文大皿」古九谷、江戸時代前期
右:「色絵片輪車松竹鶴文皿」古九谷、江戸時代前期

左:「色絵葡萄文大皿」古九谷、江戸時代前期
右:「色絵花鳥文大皿」古九谷、江戸時代前期

「色絵龍田川文透彫反鉢」尾形乾山、江戸時代中期


第3章 Japan CUTE 世界を駆ける
左:「色絵梅栗鶉文皿」柿右衛門、江戸時代前期
右:「色絵梅鶉文水柱(ドイツ)」マイセン窯、18世紀

左:「色絵菊花文鉢」古伊万里、江戸時代中期
右:「色絵菊花文鉢(イギリス)」ウースター窯、18世紀

「色絵草花鶉文大皿」古伊万里、江戸時代中期


第4章 かたち・色 百花繚乱
左:「色絵狛犬」柿右衛門、江戸時代前期
右:「色絵狛犬」柿右衛門、江戸時代前期

左:「色絵座姿美人像」柿右衛門、江戸時代前期
右:「色絵乙御前人形」仁阿弥道八、江戸時代後期

「色絵花鳥流水文蓋物」柿右衛門、江戸時代前期

左:「彩磁蕪小花瓶」板谷波山、明治時代末期-大正時代初期
右:「彩磁玉葱形花瓶」板谷波山、明治30年代

左:「色絵紅葉文壺」尾形乾山、江戸時代中期
右:「色絵四弁花文菓子皿」富本憲吉、昭和16年(1941)

「色絵菊花龍文鉢」肥前窯、江戸時代前期


第5章 色彩茶会 カラフル・ティーパーティー
左:「色絵熨斗文茶碗」野々村仁清、江戸時代前期
右:「色絵扇面散文茶碗」野々村仁清、江戸時代前期

「色絵梅樹文水柱」柿右衛門、江戸時代前期

左:「色絵七福神文酒器」古伊万里、江戸時代中期
右:「色絵人物文六角酒器」古伊万里、江戸時代中期

「色絵 Japan CUTE!」
色絵は、古九谷・柿右衛門・鍋島といった磁器や、野々村仁清(ののむら にんせい)・尾形乾山(おがた けんざん)の京焼に代表される、江戸時代に花開いたカラフルなやきものです。
将軍家や御三家への贈物として、佐賀・鍋島藩で作られた特別なうつわ〈鍋島〉に宿るのは、こまやかな季節の移ろいに心を寄せ、上巳(じょうし 雛祭)や七夕(しちせき)といった「五節句」に季節を祝う、日本人の繊細な季節感です。小袖意匠をアレンジした〈古九谷〉には、流行に敏感で、時に大胆なデザインを生活に取り入れる、斬新なファッション性がみられます。
仁清や乾山の京焼を飾る和歌・能の意匠は、豊かな文学の伝統を、遊戯性あふれる宴のうつわに仕立てたもの。そして欧州の王侯貴族など、世界を魅了した〈柿右衛門〉〈古伊万里〉は、カラフルで楽しい日本デザインに、国境を越えて人々を幸せにする、普遍的な魅力があることを物語っています。
色絵は、狭義には釉薬(ゆうやく)をかけて焼いてから、色絵具で絵付けをしたやきものです。しかしこの展覧会では「色絵」をより広く、カラフルな色彩の美を楽しむやきものとしてご紹介いたします。日本文化の多彩な特性を映し出す、絢爛として愛らしい色絵の世界を、どうぞお楽しみください。

「出光美術館」ホームページ

「色絵 Japan CUTE!」
図録
平成30年1月12日発行
編集・発行
公益財団法人出光美術館


過去の関連記事: (リンクが貼れない)
出光美術館で「江戸の琳派芸術」を観た!
https://ameblo.jp/tonton3ab/entry-12322072298.html

出光美術館で「茶の湯のうつわ―和漢の世界」を観た!
出光美術館で「古唐津―大いなるやきものの時代」を観た!
出光美術館で「岩佐又兵衛と源氏絵―〈古典〉への挑戦」を観た!
出光美術館で「大仙厓展」を観た!
出光美術館で「美の祝典 Ⅲ 江戸絵画の華やぎ」を観た!
出光美術館で「美の祝典 Ⅱ 水墨の壮美」を観た!
出光美術館で「美の祝典 やまと絵の四季」を観た!
出光美術館で「勝川春章と肉筆美人画―<みやび>の女性像―」を観た!
出光美術館で「躍動と回帰―桃山の美術」を観た!
出光美術館で「東洋の美―中国・朝鮮・東南アジアの名品―」展を観た!
出光美術館で「没後50年 小杉放菴<東洋>への愛」展を観た!
出光美術館で「宗像神社国宝展」を観た!
出光美術館で「没後90年 鉄斎」を観た!
出光美術館で「日本絵画の魅力」(後期)を観た!
出光美術館で「日本絵画の魅力」(前期)を観た!
出光美術館で「板谷波山の夢みたもの」を観た!
出光美術館で「江戸の狩野派―優美への革新」を観た!
出光美術館で「源氏絵と伊勢絵―描かれた恋物語」を観た!
出光美術館で「オリエントの美術」を観た!
出光美術館で「琳派芸術Ⅱ」(後期)を観た!
出光美術館で「琳派芸術Ⅱ」(前期)を観た!
出光美術館で「東洋の白いやきもの―純なる世界」を観た!
出光美術館で「悠久の美」を観た!
出光美術館で「長谷川等伯と狩野派」展を観た!
出光美術館で「大雅・蕪村・玉堂・仙厓」展を観た!
出光美術館で「花鳥の美―珠玉の日本・東洋美術」展を観た!
出光美術館で「琳派芸術 第2部 転生する美の世界」展を観た!
出光美術館で「琳派芸術 第1部 煌めく金の世界」展を観た!
出光美術館で「茶陶への道 天目と呉州赤絵」展を観た!
出光美術館で「仙厓―禅とユーモア」展を観た!
出光美術館で「日本美術のヴィーナス」展を観た!
出光美術館で「屏風の世界」展を観た!
出光美術館で「茶 Tea ―喫茶のたのしみ―」を観た!
出光美術館で「麗しのうつわ―日本やきもの名品選―」展を観た!
出光美術館で「ユートピア 描かれし夢と楽園」展(前期)を観た!
出光美術館で「中国の陶俑―漢の加彩と唐三彩」展を観た!
出光美術館で「やまと絵の譜」展を観た!
出光美術館で「水墨画の輝き―雪舟・等泊から鉄齋まで」展を観た!
出光美術館で「小杉放菴と大観 響きあう技とこころ」展を観た!
出光美術館で「文字の力・書のチカラ―古典と現代の対話」展を観た!
出光美術館で「志野と織部」展を観る!
出光美術館で「国宝・風神雷神図屏風」展を観る!