三菱一号館美術館で「ルドン―秘密の花園」を観た! | とんとん・にっき

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「ルドン―秘密の花園」チラシ

「三菱一号館美術館」中庭側入口

展覧会の構成は、以下の通りです。

1 コローの教え、ブレスダンの指導
2 人間と樹木
3 植物学者アルマン・クラヴォー
4 ドムシー男爵の食堂装飾
  ドムシー男爵とドムシー城食堂の装飾 安井裕雄
5 「黒」に棲まう動植物
6 蝶の夢、草花の無意識、水の眠り
7 再現と早期という二つの岸の合流点にやってきた花ばな
8 装飾プロジェクト


3つの見どころ
①最大級のパステル画「グラン・ブーケ」とともにドムシー男爵家の食堂を飾ったオルセー美術館所蔵の15点が一堂に揃います。
②ルドンが描いた花や植物に焦点を当てた世界で初めての展覧会。
③オルセー美術館、ニューヨーク近代美術館MoMAをはじめとする、世界各地の美術館からルドンの作品が集結。

「グラン・ブーケ(大きな花束)」1901年、パステル

1 コローの教え、ブレスダンの指導
左:「木々の習作」1875年頃、シカゴ美術館
右:「ペイルルバードの小道」制作年不詳、オルセー美術館


2 人間と樹木
左:「夢のなかで」表紙=扉絵、1879年、三菱一号館美術館
右:「植物人間」1880年頃、シカゴ美術館

左:「キャリバンの眠り」1895-1900年、オルセー美術館
右:「エジプトへの逃避」制作年不詳、オルセー美術館


3 植物学者アルマン・クラヴォー

左:「ゴヤ頌」Ⅱ.沼の花、悲しげな人間の顔
1885年、三菱一号館美術館
左:「夢想(わが友アルマン・クラヴォーの思い出に)」Ⅰ.・・・それは一枚の帳、ひとつの刻印であった・・・、1891年、三菱一号館美術館

左:「夢想(わが友わが友アルマン・クラヴォーの思い出に)」
Ⅵ.日の光、1891年、三菱一号館美術館
右:「若き日の仏陀」1905年、京都国立近代美術館


4 ドムシー男爵の食堂装飾
「ドムシー男爵夫人の肖像」1900年

ドムシー城食堂装飾画配置図





「ドムシー男爵の城館の食堂壁画15枚のうち」
左:「人物」、右:「人物(黄色い花)」1900-1901年


5 「黒」に棲まう動植物
左:「夢のなかで」Ⅰ.孵化、1879年、三菱一号館美術館
右:「夢のなかで」Ⅱ.発芽、1879年、三菱一号館美術館

左:「起源」Ⅱ.おそらく花の中に最初の視覚が試みられた
1883年、岐阜県美術館
右:「起源」Ⅲ.不格好なポリープは薄笑いを浮かべた醜い一つ目
巨人のように岸辺を漂っていた、1883年、岐阜県美術館


6 蝶の夢、草花の無意識、水の眠り
左:「蝶と花」1910-1914年、プティ・パレ美術館
右:「眼をとじて」1900年以降、岐阜県美術館


左:「オジーヴの中の横顔」制昨年不詳
ボルドー美術館(オルセー美術館より寄託)
右:「ステンドグラス」1907年頃、ニューヨーク近代美術館(MoMA)

左:「神秘」1910年頃、フィリップス・コレクション
右:「蝶」1910年頃、ニューヨーク近代美術館(MoMA)

7 再現と想起という二つの岸の合流点にやってきたはなばな花ばな
左:「日本風の花瓶」1908年、ポーラ美術館
右:「青い花瓶の花」1912-1914年頃、ひろしま美術館

8 装飾プロジェクト
左:「タピスリー用下絵(座面)」1910年
右:「タピスリー用下絵(背もたれ)」1910年

ロラン・ルスタン(ルドンの下絵に基づく)
「ひじ掛け椅子」1911-1913年、ゴブラン織り


「ルドン―秘密の花園」
オディドン・ルドン(1840-1916)は、印象派の画家たちと同世代でありながら、幻想的な内面世界に目を向け、その特異な画業は、今も世界中の人の心を魅了して止みません。なかでも本展は植物に焦点をあてた、前例のない展覧会となります。ドムシー男爵の城館の食堂を飾った装飾で、当館が所蔵する最大級のパステル画「グラン・ブーケ(大きな花束)」を、同食堂の残りの15点の壁画(オルセー美術館蔵)と合わせて展示します。また、出品作およそ90点のうち大半は、オルセー美術館、プティ=パレ美術館(パリ)、ニューヨーク近代美術館、シカゴ美術館など海外の主要美術館の所蔵作品により構成する、大規模なルドン展となります。

「ルドン―秘密の花園」図録
編集:安井裕雄
執筆:高橋明也
    安井裕雄
編集協力:福田恭子
発行:2018年2月8日
    三菱一号館美術館


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