ジャ・ジャンクーの「山河ノスタルジア」を観た! | とんとん・にっき

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成田~ウィーン間の機内で観ました。日本では今月末に公開です。


なぜか「山河ノスタルジア」というタイトルだけで、ジャ・ジャンクーの作品だとわかりました。ジャ・ジャンクーは、「長江哀歌」「四川のうた」「罪の手ざわり」など、中国社会の格差や底辺で生きる人を鋭い視点でとらえてきました。そしてジャ・ジャンクーの作品になくてはならないミューズは、チャオ・タオです。今回はちょっと顔立ちが太ったかなと思える感じですが、彼女のもつ毅然とした雰囲気はまったく変わりません。


「山河ノスタルジア」、過去(1999年)、現在(2014年)、そして未来(2025年)の3部構成でとなっています。物語は山東省汾陽(フェンヤン)から始まります。2人の幼馴染がいて、一人の女性タオ(チャオ・タオ)を好きになります。タオは実業家ジンシェンを選び、息子ダオラーを授かります。しかし14年には離婚しており、親権を夫に渡して、ひとり汾陽の残っていました。一方、父と子はオーストラリアへの移住を決めます。25年のオーストラリアで暮らす19歳のダオラーは、母国語をすっかり忘れ、母の記憶もかすかになっていました。


「前の世代をどう理解すべきかという問題は、どの世代でも体験する」と監督は語る。作品を通じて「我々は本当に自由になったのか」と問いかけます。「収入、年齢、学歴…。これだけインターネットが発達した世の中だが、いまだにいろいろなものに縛られている」。見えないものに縛られている未来の人々を描きながら、「真の自由は自我からの解放だ」と語りかけます。(朝日新聞:2016年4月15日)


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


チェック:『長江哀歌(エレジー)』などで世界的に高い評価を受けている中国の名匠ジャ・ジャンクーが、変化していく中国社会を見つめた人間ドラマ。時代に振り回され、離れていても不変の母と子の強い愛を、過去、現在、未来とおよそ26年にわたって描き出す。ジャ監督作『四川のうた』『罪の手ざわり』にも出演したチャオ・タオを主演に、『ブッダ・マウンテン ~希望と祈りの旅』などのシルヴィア・チャン、『最愛の子』などのチャン・イーらが共演。


ストーリー:1999年、山西省汾陽の小学校で教師を務めるタオ(チャオ・タオ)は、炭鉱作業員リャンと実業家のジンシェン(チャン・イー)から求愛されていた。その後タオはジンシェンを結婚相手に選び、二人の間に男の子が生まれダオラーと名付けられる。2014年、離婚して汾陽で一人暮らしのタオは離れて生活しているダオラーと久々に顔を合わせるが、ジンシェンと一緒にオーストラリアに移り住むことを知らされ……。


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「山河ノスタルジア」公式サイト

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