日本橋三越本店で「超絶技巧吉兆庵美術館蒐集真葛香山展」を観た! | とんとん・にっき

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日本橋三越本店で「超絶技巧吉兆庵美術館蒐集真葛香山展」を観てきました。「超絶技巧」とあるので、「清水三年坂美術館」が所蔵するようなものが出てくるのかと思いましたが、僕が思い描いた「超絶技巧」は、残念ながら「真葛窯変釉蟹彫刻壺花活」のみでした。


がしかし、「真葛香山」を知ったことで、その意味では収穫があったといえます。真葛香山は、明治時代日本の陶磁器界を先導し、欧米の焼物に多大な影響を与えたという。展示品の多くは「吉兆庵美術館」所蔵のものです。


偶然にもサントリー美術館で2月24日から開催されるのは、「没後100年宮川香山」展のようです。サントリー美術館の案内には、以下のようにあります。


初代宮川香山(1842~1916)は、京都から開港間もない横浜へ移住し、真葛(まくず)窯を開き、絵や文様を厚く浮き上がらせ立体的に装飾していく超絶技巧「高浮彫」の作品を生み出します。香山の「マクズ・ウェア」はフィラデルフィア万国博覧会(1876)など国内外の博覧会で受賞を重ね、高い評価を得ました。本展では、世界に名を馳せ、帝室技芸員としても活躍した宮川香山の「真葛焼」の変遷に迫ります。

「サントリー美術館」ホームページ


日本橋三越本店で「超絶技巧吉兆庵美術館蒐集真葛香山展」、目玉はもちろん「真葛窯変釉蟹彫刻壺花活」でしょう。チラシには、以下のようにあります。


明治の三大名工に数えられる初代真葛香山が、晩年期に制作した傑作です。明治期に制作した自身の代表作(東京国立博物館所蔵・重要文化財)を模倣した、たいへんに珍しい作品。戦前の陶磁史を代表する作品の一つです。褐色の高取釉の鉢に、生き生きとしたワタリガニが張り付いています。装飾陶磁で知られた初代の超絶技巧を感じることができる逸品です。


作品は、以下のような項目で並べられています。

「茶道具」「生き物」「人物」「色彩」「外国風の焼物」「花活け」「書」「植物」、全118点で構成されています。







「超絶技巧吉兆庵美術館蒐集真葛香山展」

京都で代々焼物を作陶してきた宮川家は、明治3年(1870年)、虎之助(後の初代真葛香山)により窯を横浜へ移し、四代にわたり隆盛を極めました。当初の横浜での真葛焼は、装飾性にすぐれた陶器でしたが、のちに磁器に転じ、古陶磁の技法を生かした作品は、国内外から人気を博しました。明治9年(1876年)に開かれた、フィラデルフィア万国博覧会で装飾陶器の部門での受賞を機に、展覧会への積極的な出品や、加飾の高い技術、そして釉薬の研究開発など、その努力が評価され、初代真葛香山は陶芸作家としては二人目の帝室技芸員に選ばれるという栄誉に浴しています。しかし、昭和20年(1945年)の横浜空襲で命脈を絶たれ、真葛焼は終焉し国内で現存する作品が極めて少ないため、「まぼろしの焼物」とも呼ばれています。 また、三越との関係も深く、明治43年(1910年)に三越は「第一回諸大家新作美術及美術工芸品展覧会」を開催、その内容の検討委員15名の一人が初代真葛香山でした。 本展では、この真葛香山の作品を長年にわたり蒐集(しゅうしゅう)した、多数のコレクションを有する吉兆庵美術館より、超絶技巧が光る高浮彫りの作品をはじめ、繊細な絵付けや透かし彫りに圧倒される香炉、京焼の絵付けの技が際立つ雅な水指しや菓子鉢、ユーモアにあふれた青磁の造形など118点を展示いたします。ぜひ、この機会に真葛焼の素晴らしさをご堪能ください。


「吉兆庵美術館」ホームページ


「日本橋三越本店」ホームページ


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