アンヌ・フォンテーヌ監督の「ボヴァリー夫人とパン屋」を観た! | とんとん・にっき

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見逃していたアンヌ・フォンテーヌ監督の「ボヴァリー夫人とパン屋」を、TUTAYAで借りて観ました。チラシには「ユーモラスで“香り立つ”大人のファンタジー誕生」とあります。


「ボヴァリー夫人」はギュスターヴ・フローベールの小説。田舎の平凡な結婚生活に倦んだ若い女主人公エマ・ボヴァリーが、不倫と借金の末に追い詰められ自殺するまでを描いた作品で、フローベールの代表作です。
「ボヴァリー夫人」ウィキペディア


以前、アレクサンドル・ソクーロフ監督の「ボヴァリー夫人」を観ましたが、今から考えると、考えるまでもないですが、ロシア人ソクーロフの解釈で作られた作品で、必ずしもフランスの作家フローベールの小説に沿った作品とはなっていませんでした。が、どう解釈するかは映画監督の専権事項です。今も昔も変わらない女性としての尽きない悩みや葛藤をどう描くか、そこがポイントです。


いつの時代もおやじはおやじ、鼻の下を長くして、なんとも情けない。パン屋のおやじが美しいジェマに惹かれるも、ただおろおろするだけでなにもできません。若いジェマはダンナがいるにもかかわらず、そうそうに年下の男性を選んで壮絶なラブシーンの連続。「ボヴァリー夫人」に書いてあるようになっちゃいけないと、パン屋のおやじは注意を喚起するも、若いジェマには届きません。そんなおやじ、マルタンを見て、奥さんからは「あんた何してんの」といちゃもんがつきます。マルタンはただおろおろするだけ…。


彼女の心の奥底ではなにかを待ち望んでいる。ボヴァリー夫人が道で恋人と出会ったような、小説と同じことが起きている。小説は最後には自殺してしまう。今ならまだ間に合う。・・・フランス映画はエスプリが効いてます。以前観たトリュフォー監督の「隣の女」も強烈でしたし、ルコント監督の「髪結いの亭主」もほろ苦く人世を感じさせました。フランス映画好きです、万歳!

以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。


チェック:イギリスの絵本作家ポージー・シモンズが、フランスの文豪ギュスターヴ・フローベールの代表作「ボヴァリー夫人」を題材にした著書を実写化。隣に暮らすイギリス人夫人の不倫現場を目にしたパン屋主人が、その動向を見つめる。メガホンを取るのは、『美しい絵の崩壊』などのアンヌ・フォンテーヌ。『危険なプロット』などのファブリス・ルキーニ、『ランナーランナー』などのジェマ・アータートンらが結集する。舞台となるノルマンディーの風景に加え、ユーモラスで官能的な語り口にも注目。


ストーリー:ノルマンディーにある故郷の村へと戻り、父親が遺(のこ)したパン屋を受け継いだマルタン(ファブリス・ルキーニ)。ノルマンディーを舞台にしたフローベールの小説「ボヴァリー夫人」を読みふけっては退屈な日々を過ごす彼だったが、隣の農場にイギリス人であるチャーリー(ジェイソン・フレミング)とジェマ(ジェマ・アータートン)のボヴァリー夫妻が移り住んでくる。美しいジェマに惹(ひ)かれていく中、マルタンは彼女が年下男性と密会するのを目撃。やがて、「ボヴァリー夫人」を地でゆくジェマの行動に気が気でなくなっていく。


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「ボヴァリー夫人とパン屋」公式サイト


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