東京都美術館で「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」を観た! | とんとん・にっき

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東京都美術館で「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」を観てきました。 観に行ったのは8月5日でした。7月30日の「楽園としての芸術」のブロガーナイトに参加したので、その時に観ればよかったのですが、昼間は暑かったことで後回しになり、ブログの記事にするのも遅れに遅れてしまいました。実はこの展覧会、もともと行くつもりはなかったのですが、たまたま知人から招待券をいただいたので、観に行ってみようと思い立ったわけです。


1988年秋にロンドンへ行ったときに大英博物館へ立ち寄りました。ガイドの人が、ほかは観なくてもまず「エジプトの間」を観なさいと、裏口から入り地下の展示場へ案内してくれました。そこで「ロゼッタストーン」や「ミイラ」を見た記憶があります。また同じ頃、1990年にルーヴル美術館へはじめて行った時に、地下の古代エジプトや古代ギリシャの展示室に、やはりガイドの人の案内で連れて行かれました。今年の4月28日にもルーヴルを訪れましたが、古代の展示室には駐車場へ行くときに素通りし、訪れませんでした。


そうそう、思い出しました。東京藝大大学美術館で開催された「ルーヴル美術館展」、正式には「ルーヴル美術館展 古代ギリシア 芸術・神々の遺産」という名称でした。世界最大級35万点もの所蔵品を誇るルーヴル美術館は、コレクションが8つの部門に分けられていて、藝大大学美術館では、その一つである〈古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術〉部門から古代ギリシア芸術に焦点を絞り、展示されていました。

「ルーヴル美術館展」を観た!


「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」、約3万点を擁するメトロポリタン美術館のコレクションの中から、「女性」をテーマに選りすぐりの約200点が日本初公開されていました。エジプトの遺跡の中でも圧倒的な存在感を誇っているルクソールの「ハトシェプスト女王葬祭殿」。今回の展覧会の目玉は、チラシにもなっている「ハトシェプスト女王像の頭部」でしょう。王位は男性が継承することが慣例だった古代エジプト時代に、たぐいまれな政治力で女性として王位につき、近隣諸国と活発に貿易して国を繁栄させました。肖像では王の象徴である頭巾や付け髭を付けた男性として描かれることが多かったという。


古代エジプト史において最も重要な女性ファラオの女王であるハトシェプストにまつわる品々が数多く展示されていました。王家の女性にまつわる装身具や化粧道具も展示されていました。圧巻は「アメン・ラー神の歌い手ヘネトタウィの人型内棺」でした。その完成度の高さから、高位の女性神官のミイラを入れた棺だと考えられています。棺のふたの正面中央には、死者を守るように大きく翼を広げた天空の女神が、その下には楽器の一種シストラムを手にしたヘネトタウィ本人が神々と交流する場面が描かれています。


棺はに描かれた銘文や図像は死者が無事に冥界にたどり着き、永遠の生命が得られるように神々からの助けを呼び起す役目を担い、「生命の箱」と呼ばれました。腕を交差するのは、死後も生き返るために、自身をオシリス神に重ね合わせたものだという。金製の襟飾りや指のサックは、王族や上流階級のミイラの上に置かれた状態で発見されたという。エジプトでは、死は生命の終わりではなく、来世で人生が続くための一つの通過点に過ぎません。そんな独自の死生観を名品の数々が伝えています。

展覧会の構成は、以下の通りです。


1章 ファラオになった女王ハトシェプスト

2章 愛と美の女神ハトホル

3章 信仰された女神たち

4章 王妃、王女たち

5章 王族の装身具

6章 王族の化粧道具

7章 来世への信仰



1章 ファラオになった女王ハトシェプスト



2章 愛と美の女神ハトホル



3章 信仰された女神たち



4章 王妃、王女たち



5章 王族の装身具



6章 王族の化粧道具




7章 来世への信仰






「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」

アメリカを代表する美の殿堂、ニューヨークのメトロポリタン美術館。約3万点を擁し、訪れる人々を魅了してやまない同館のエジプト・コレクションから、女性をテーマに選りすぐった約200点を日本初公開します。古代エジプト史において最も重要な女性ファラオとして知られる女王ハトシェプストにまつわる品々や、愛と豊穣を司るハトホルをはじめ当時の人々から篤い信仰を集めた女神たちの像やレリーフ。また、王家の女性たちを美しく彩った豪華な装身具、現代にも通じるデザイン性に溢れた化粧道具なども紹介します。古代エジプトで美しく治め、美しく装い、美しく生きた女性たちの物語に、どうぞご期待ください。


「東京都美術館」ホームページ