「目黒区総合庁舎建築ガイドツアー」に参加した! | とんとん・にっき

「目黒区総合庁舎建築ガイドツアー」に参加した!

とんとん・にっき-kengai


目黒区美術館が主催する「2010年 目黒区総合庁舎建築ガイドツアー」に参加しました。目黒区総合庁舎とは、村野藤吾の設計による「千代田生命本社ビル」のことです。2003年1月、目黒区総合庁舎に生まれ変わった村野藤吾によるオフィスビルの結佐宇、旧千代田生命本社ビル(昭和41年完成)。その翌年に開催した企画「村野藤吾のディテール」展の際にスタートした「目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)建築ガイドツアー」は、今回で7回目だそうです。


僕は上の「建築ガイドツアー 参加者募集」に応募し、当選?したというわけです。実施コースはA通常コース、Bコンバージョン(用途変更)コース、C和室集中コース、そしてD子ども組コースの4つです。僕はCの和室集中コースを選びました。目黒区美術館のボランティア「建築班」の方による解説付きで案内していただきました。


村野藤吾は、1891年佐賀県唐津の生まれ。1984年芦屋にて逝去(93歳)。早稲田大学を卒業後、渡辺節建築設計事務所(大阪)を経て、1929年、大阪に村野建築設計事務所(後に村野・森建築設計事務所)を設立。文化勲章、日本芸術院賞、日本建築学会賞(3回)、毎日芸術賞、BCS(建築業協会)賞などを受賞。なんてったって、重要文化財に指定されたものが3件、宇部市渡辺翁記念会館、広島カトリック聖堂、そしてつい最近日本橋高島屋が指定されました。


現存している東京都内の主要作品は、森五商店東京支店(現近三ビル)1931年(40歳)、1956年(65歳)、高島屋東京展増築部分および東別館1952、54、63、73年(61~82歳)、そごう百貨店有楽町店(現読売会館・ビックカメラ有楽町店)1957年(66歳)、丸物百貨店(現池袋ステーションビル・パルコ館)1957年(66歳)、日本生命日比谷ビル・日生劇場1963年(72歳)、ルーテル神学大学(現ルーテル学院大学キャンパス)1969年(78歳)、帝国ホテル茶室東光庵1970年(79歳)、赤坂離宮(現迎賓館)改修1974年(83歳)、日本興業銀行本店(現みずほコーポレート銀行本店)1974年(83歳)、なだ万山茶花荘(ホテルニューオータニ庭園内)1976年(85歳)、新高輪プリンスホテル1982年(91歳)、新高輪プリンスホテル和風別館恵庵1985年(没後)。


僕は千代田生命本社ビルが竣工した年、昭和41年に全館つぶさに見学しています。もちろん、和室や茶室も見学しました。が、どのような関係で見学することができたのかは思い出せません。目黒区総合庁舎になってからは、仕事の関係もあり、もうなんども足を運びました。しかし和室には「しじゅうからの間」は入れましたが、その他の和室、「しいの間」「はぎの間」は入ることができませんでした。ましてや「茶室」も同様でした。今回、「和室集中コース」があり、約45年ぶりに村野東吾の「茶室」を見ることができました。


案内していただいた若い建築家の方の説明は平易な語り方で、懇切丁寧、非常に分かりやすく役に立ちました。見学のポイントは、村野建築としては、アルミキャストの外観、玄関前のキャノピー、玄関ホール、鉄骨階段、そして和室でした。それぞれ村野流のディテールの宝庫、解説は尽きるところがないほどです。また、千代田生命本社ビルから目黒区役所に変更された箇所は、大きくは1階に市民の出入り口を設けたこと、3,4階をぶち抜いて議会場を設けたことなどです。また屋上は緑の屋根をつくるということで、「目黒十五庭」として整備されていました。とても短い時間で回りきれません。残念ながら時間オーバーとなりました。































下は、僕が持っている村野藤吾の作品集です。ひとつは「村野藤吾 和風建築作品詳細図集・1 住宅編」(発行日:昭和61年9月20日、定価:4000円)、もうひとつは「村野藤吾 和風建築作品詳細図集・2 ホテルの和風建築」(発行日:昭和61年12月20日、定価4000円)で、共に発行所は(株)建築資料研究社です。以前は全集本の極地「村野藤吾建築図面集 全8巻」(同朋社出版)や、茶色の和紙で装丁された「村野藤吾和風建築集」(新建築社)などもあったのですが、南洋堂に安く売り払ってしまいました。いま思うと残念でなりません。

とんとん・にっき-murano

過去の関連記事:
目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)を見学した! (画像なし)
旧・千代田生命本社ビル