ウフィッツィ美術館の至宝「ウルビーノのヴィーナス」、日本初公開! | とんとん・にっき

ウフィッツィ美術館の至宝「ウルビーノのヴィーナス」、日本初公開!



「ウルビーノのヴィーナス 古代からルネサンス、美の女神の系譜」展が、2008年3月4日から5月18日まで、上野の国立西洋美術館で開催されるそうです。国立新美術館で、開くと73センチもある大判のもの凄いチラシを入手、いいですね~、ヴィーナスは!でも、これってウフィッツィにあるティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」ですよね。なるほど「ウフィッツィ美術館の至宝 日本初公開」とあります。これは何度も見てるからな~。2006年に開催された「プラド美術館展」の目玉も、確かティツィアーノのヴィーナスでしたよね。「アモ-ルと音楽にくつろぐヴィーナス(ヴィーナスとオルガン奏者)」でした。他にもドレスデン国立絵画館の「眠れるヴィーナス」もあるので、テッツィアーノ関連でヴィーナスが3点もあるんですね!


最近、「一点豪華」主義的な美術展が目立って多くなっています。レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」も、ウフィッツィで観ていたので、僕は行きませんでした。今回の「フェルメール」展もまさに「一点豪華」でしたが、オフ会がらみで観てきました。でも、「イタリア各地の主要美術館から選りすぐった、絵画、彫刻など約70点の作品で、ヴィーナスの魅力に迫ります」とあるので、こちらの方は期待できそうです。



大判のチラシには、「神か、女か。女神の挑発。」と題して、以下のような文章が・・・。


白いシーツの上で豊かな裸身を惜しげもなくさらす女性。彼女は服を脱ぎ、髪を解いて、ベッドに横たわったところだ。夜の帳が下りようとしている。侍女たちが部屋を去れば、彼女は視線の先にいる人物とふたりきりになるだろう。彼女は美と愛の女神ヴィーナスである。そもそもは古代の神であるが、ルネサンスの時期に、ほかの神々とともに美術のモティーフとして復活した。そして、フィレンツェとならぶイタリア・ルネサンスの中心地ヴェネツィアに置いて、彼女は変身する。絵を見る男性の視線を意識して、なまめかしい姿で描かれるようになったのである。


ヴェネツィアのヴィーナス像は、寝室、浴室など私的な空間で鑑賞されることが多かった。そして画中の彼女は、持ち主の愛人として振るまい出す。この地で描かれた「ウルビーノのヴィーナス」にしても、彼女は注文主の公爵グイドバルド・デッラ・ローヴェレを見つめ続けていたのである。ヴェネツィア派を代表する画家テッツィアーノは、女性の官能的な描写に優れていた。中でも「ウルビーノのヴィーナス」は、蠱惑的な女性として名高い。私たちはこの絵を“見る”だけではない。ヴィーナスのなめらかな肌の温もりや髪の毛のやわらかさを、確かに感じる。この絵が裸婦の個展として、多くの画家の手本となり続けたゆえんである。


本展は、古代のヴィーナス像が、ルネサンスで復活し、発展したさまを辿る。古代彫刻やテッツィアーノ、ポントルモ、アンニバレ・カラッチらによる、約70展の女神像が展示される。





テッツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」は、ウフィッツィ美術館の第28室ティツィアーノとデル・ピオンボの部屋にあります。購入してきた図録には、「ウルビーノのヴィーナス」について、下記のように書いてありました。


後にウルビーノ公爵位を後継することになるローヴェレ家のグイドバルド2世は、ティツィアーノに注文した絵を携えることなく帰郷してはならないと、1538年にヴェネツィア駐在の代理人に厳命した。彼がこれほどにも待ちわび、別の書簡で“ヌードの女”と呼んだのが有名なウルビーノのヴィーナスの絵で、ついには彼のもとに到着する。フィレンツェにヴィットリア・デッラ・ローヴェレの相続遺産として1631年に運ばれてきたこのキャンヴァス画には、解き髪が肩に掛かる女のヌードが描かれている。女はベッドに横たわって、羞恥とも誘惑ともとれる曖昧なポーズをとっている。手元のバラの小花束は、窓辺の鉢植えのミルトと同じく、愛を象徴している。奥では二人の侍女が嫁入り道具の長持の中の衣装を整え、窓外に夕暮れの曇り空の景色が見える。修復後にテッツィアーノ特有の色合いが戻り、肉体と布地から女の耳元に輝く真珠にいたるまで、画中の驚くほどの素材の質感が映えるようになった。多様な作品解釈があるが、明らかにエロチックな絵であることから、1536年にわずか13歳でグイドバルドに嫁いだ幼な妻のジュリア・ヴァラーノに官能性を教授するための手本にされたのではないかとするアウグスト・ジェンティーリ(1996年)の推定に最も信憑性があるように思われる。



ウルビーノのヴィーナス
http://www.venus2008.jp/index.html


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