久々にゲーム記事を書いたような…
とはいうものの、本当の事を言えばゲーム記事というのはクリア後にすぐ記載するのが(私の中では)良い訳で、ゲームを発売日に購入しても、私のようにじっくりプレイする人だとクリアするまではだいたい1週間前後とかかる訳です。
つまり速報性の無い情報を記載しても良いのかどうかの迷いがあっては結局は書かずに終わる…というパターンが多かったんですけど、その考えは切り捨てようかと。
それで今回記載するゲーム記事は、Playstation3用ソフト『The Last of Us/ラスト・オブ・アス』のダウンロードコンテンツとして配信された追加エピソード『Left Behind -残されたもの-』の(若干の)レビューとなります。
先に本編『The Last of Us』のあらすじについて説明しますと
2013年に人体的に感染する謎の寄生菌のパンデミックが全世界に発生した20年後の荒廃したアメリカが舞台で、主人公はブラックマーケットでの取引を生業としていたジョエルと、武器を巡るトラブルから絶命間際の友人に"運び"を頼まれる。その"運んで欲しいもの"とは、エリーという唯一寄生菌の免疫を持つ14歳の少女だった。二人は旅していく過程で、「感染者」の脅威と戦い、そして様々な方法で生き残ってきた他の生存者たちと出会う。
2013年なのかは話の中では一切言っていませんが、ゲーム内のカレンダーが2013年だったので一応。
今までの感染者(ゾンビ)を題材したゲームといえば、組織の陰謀やら人体実験やらとサイエンスフィクションの科学的要素が含まれた大規模な作品が多めでしたが、『The Last of Us』はあくまでジョエルとエリーの視点の物語であって、決して寄生菌の謎を解いたり、世界を救おうなどという英雄的行為は起こさない訳です。むしろそれすらも出来ないほどに堕ちた世界で"生きる"というのが、物語の終着点でありテーマでもあります。
勿論、生きるといった考えはジョエル達だけではなく、ハンターと呼ばれる生存者も食糧などを争って何とか生き永らえています。なので、映画の「28日後…」と言わんばかりの全力疾走する感染者よりも、知能を持った欲深い人間の方が断然に恐いんです。
現実的な人間性の深さを描いた見事なシナリオ、これ以上にない程のPS3の性能をフルに使ったグラフィック、サウンドなどは世界的に評価され、ゲーム史上最も「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」を獲得したタイトルであり、最近では「全米脚本家組合賞」も獲得した事が話題にもなっています。
そんなトンデモゲームから、2月14日にダウンロードコンテンツとして追加エピソード『Left Behind』が配信された訳です。
本編の終盤あたりに、重傷を負ったジョエルをエリーが運んで、一人で薬を探してジョエルを治療するシークエンスがあるんですが、ジョエルをどう運んだのか、そもそも救急品はどこで入手したのか、プレイヤーからは分からないまま数日が経った所までカットされたのですが、『Left Behind』ではその空白の期間、そしてエリーがジョエルと出会う一ヶ月前のエピソードをプレイできます。
これについては本編最後のエリーの台詞で↓
「ボストンで噛まれた時だけど…一人じゃなかったの、親友もいて、一緒に噛まれてた」
「途方に暮れてたら…その子が言ったんだ「待ってればいいじゃない、どうせ最後はみんなおかしくなっちゃうんだから」って」
「あたしはまだ待ってるの」
「ライリーって子だった。あの子がまず死んで…」
とありました。
再確認してないので、記憶頼りですが、こういう風に言っていたと思います。そのライリーという女の子と一緒にいた時のエピソードも語られます。というよりこっちがメインかな?
ライリーは、マーリーンという女性をリーダーとする「ファイアフライ」という崩壊前の世界に存在した政府の復活を理想に掲げる抵抗組織に属していました。つまり序盤から、銃を手にしたライリーと、殺人経験のないエリーの旅となります。
上記に書いた二つのシークエンスを交互にプレイする事になるんですが、これがまたエンディングまで見事な構成となっていました。
銃を持たないエリーのエピソードは、久しぶりに再会したライリーに「面白いものを見せてあげる」と言われ、立ち入り禁止とされた廃墟のモールのブレーカーを直して二人で好き勝手遊ぶ訳です。このエピソードは子どもらしい"遊び"要素がわりと豊富に用意されています。モール内のハロウィンショップで狼男のマスクを被ってなりきったり、二人でどれだけ多く車の窓を割るか競い合ったり、メリーゴーランドに乗ったり、一緒にプリクラを撮ったり、水鉄砲で遊んだりなど、ユニークなゲームプレイが出来ます。
↑がプリクラの写真です。エリーの健気なさが唯一の癒し。
このシーンのフェイシャルアニメーションはかなりの出来。そして何気にFacebookにログインすると共有できます。
こんな感じで、ほぼ感染者と遭遇する事がない分、もうひとつの話では、エリー1人だけで行動して救急キットを探す事になります。
途中で暗い中の人形ショップに入ったり、死体から鍵を奪うなど、ホラー要素が強めのように感じます。ハンターやクリッカーに遭遇する事も多いので。
それよりもこのDLCで特徴なのが、本編には無かった「(NPCの)ハンターvs感染者」を見る事が可能になったところでしょうか。ハンターが部屋を捜索している間に、影から空き瓶を投げて感染者の注意を引いて戦わせるなど、その辺のAIもよく凝っています。
プレイヤーからしたら、ライリーが死亡する事が分かりきってる前提ですのでエリーと楽しく過ごしている場面が逆に辛く見えましたね…。ラストのどうしようもなく、取り返しのつかない事をしてしまったような絶望感が伸しかかるためか、プレイ時間以上に余韻が強く残ります。ゲームとしては本当に珍しくよく出来たシナリオだなぁと。
ここまで感情移入できた理由としては、丁寧なローカライズと、エリー役の藩めぐみさん、ライリー役の田村 睦心さんの演技が素晴らしかったんだと認識。二人はそれぞれ音声収録現場は違っていたみたいで顔は合わしてないらしいですが、とてもそうとは思えない掛け合いだったかと。
これ以上紹介できるような要素が無いのでアレなんですが、プレイ時間はぴったり2時間程で、ぶっ続けてやればすぐに終わってしまいますね。短いと感じるでしょうが、この2時間でプレイヤーが知るべきところを知れた充実した2時間だったと感じています。1本の映画を見る感覚で良いと思います。価格的にも1500円以上の価値はあるかと。
本編もそうですが何より、フィールドデザインの凝りようがさすがノーティドッグですね。
既に『The Last of Us』を所持している方にはオススメのDLCですので、是非。と言わなくてもプレイした人は本編の良さを理解しているので絶対購入するかと思いますが。
そういえば、2月22日はPlaystation4の国内発売日ですが、入手したら恐らく新作のPS3ソフトを購入する機会が減ると思うので、PS3最後のゲームソフトをって事で、前々から気になっていたValve社開発の『ポータル2』を購入しようと検討していました。しかし何故なのかどのゲームショップに行っても無かったんですよ。
Amazonでも販売しなくなって値上がりしていたので、さてどうしよう…となったのですが、調べれば『ポータル2』のアジア版は完全に日本語化に対応していると聞き、値段も安かったので購入して先日届きました。
言われている通りしっかり日本語化されていましたが、○ボタンと×ボタンの操作が逆になっていました。輸入版だとこれは当たり前なんですが、表記だけが日本語ですので表記通りにやると逆になってややこしい事になります。結局慣れれば全く問題ないですがね。
それと、台湾のPSアカウントを持っていれば、アジアのPSストアから無料で配信されているDLCも入手できます。Japanese対応の表記もあったので、これで本当の意味で日本語版と変わりなく『ポータル2』がプレイ出来ます。
私と同じように、『ポータル2』を購入したいけど店頭に無くて困っている方は、アジア版を購入しても大丈夫です。
実際プレイしてみた感じは、良い感じに頭を使うゲームで気に入りました。これ以上は長くなるので『ポータル2』のレビューはまたの機会にしますが、次はPS4のレビューになるかなぁ…と。PS3ソフトも50~60本ほどになったのでPS4発売記念に「PS3ソフト ベスト10」なんかもやるかもしれないです。
※更新頻度と日々の都合により、上記の記載は一時休止します。