F1黄金時代の決闘 『ラッシュ/プライドと友情』 | クラッチCINEMAs

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先日の先行上映での鑑賞です。

『ラッシュ/プライドと友情』
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1976年のF1黄金時代、世界を熱狂させた二人のレーサーがいた。
ドライビングと私生活も情熱型のジェームズ・ハント。クルマ開発や人生までもが頭脳派の二キ・ラウダ。性格も勝負事も真反対の二人がぶつかり合う圧倒的なレースは人々を夢中にさせた。
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チャンピオンが確実視されたその時、"墓場"と呼ばれる世界一危険なサーキット、ドイツのニュルブルクリンクで二キ・ラウダの車がクラッシュし、400度の炎に包まれる。命を取り留める再起は絶望的だったが、わずか42日後で復帰し、ライバルであるジェームズ・ハントの元へ出る。
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ーそんな実話を『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』ロン・ハワード監督が映画化した。
既に海外では去年の9月に公開され、観客の満足度が高い事から期待も高まっての鑑賞。

いや、本当に2014年早くも面白い作品が鑑賞できて大満足。

自身の操る車の速さとテクニックで競い合う男達のクールさは勿論のこと。複雑な家族愛や友情愛も時代と共に感じるように映し出される。
今こそ安全とも言えないが、1970年代のF1レースはほとんどが"手作り"で、どれほど車と己の魂が噛み合うかが試されるし、悪天候でもしっかりした安全対策も無いままレースを決行する。
ハントが「棺桶だとも言う車で、何故ここまでして命を懸けてレースをするのか。深刻なまでの事故に遭いながらも何故、ニキはレースに復帰したのか。二人の考えは違えど、同じ場で走る事が生きがいとも言える。
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レースシーンの緊張感は映像としても、固定カメラやスローモーションで非常に丁寧に描かれている。音に関しても、唸りあげるエンジンサーキットに擦れるタイヤの音ギアチェンジエンジンの匂いまで感じとれるような大迫力のサウンド。危険だからこそ高まる感情は鳥肌物で、それをさらに盛り上げるかのように、ハンス・ジマー作曲のロック調のスコアがズシズシと鳴り響く。これはもうロマンであろう。
体感型のF1映画とも言え、映画館だからこそ味わえる重低音が最高の環境を作ってくれる。

危険を承知で勝負をしているからこそ、共有できるものがあり、友情も生まれるんだと感じながらの鑑賞だった。

見る人によっては感情移入できる人物が変わるかもしれない。これは本当に真反対なレーサーが対決した伝記映画。しかし、終わりの答えはなく、フェラーリやマクラーレンは現在でもトップを争っているのは事実だ。

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最後に二キが下した決断は正しかったであろうか。結果的にはハントと同じ条件でのレースが出来なかった事になるが、エンドロール前に語った言葉には くるものがあった。

ここまで胸が熱くなる映画に、見に行かない手はないだろう。