桜の散るころ、専門店について考える。 | 日々きもの専門店 ささ木の 

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職人さんが丁寧に作る「モノづくり」を代々大切に考えて参りました。心がはっとするような「和のもの」や「きもの」。
まだまだ修行中♪の若女将がご紹介します。

桜の花の散るころが好きです。

旧福井城跡のお堀沿いは、小さいながらも、
風情のある桜の名所でもあります。
今の季節は、水面には、花筏。
空を仰げば、花吹雪。
この季節ばかりは、この道を歩くことが、
通勤だなんて思えません(笑)。


「さくら」  
先日、お客様から頂きました。
蓋をあけると、何とも、春がぎっしり詰まっていて素敵♪
そしてゴールドの金平糖を見つけた息子。
息子の心をもわしづかみです。(笑)
さてさて。
皆さんは、呉服屋さん。
と言っても、
色々あることをご存知でしょうか。

私は、嫁いで初めて知りました。
佐々木家を私に紹介して下さった方からは、
「普通の呉服屋さんとは全然ちがうよ」

と聞いておりましたが、商売のことやら、
世間に疎い私は、あまり意味もわからず
嫁ぎましたが、確かに、違うだろう・・・と思うのです。




呉服屋さんと一言で言っても、
①に、振袖を中心に展示会や、レンタル、写真をパックにした
合理的なタイプ。こちらは大量生産のお品が主になります。

振袖をパンフレットにできるというのは、
大量に生産可能な作り方であるということであります。

地方ですと、呉服屋さんと聞いてイメージされるのは
こちらかもしれません。

②には、デパートの呉服部門。

そして、③専門店
こちらは、大量生産品は扱いません。

大きくわけるとこの3つかなと今の私は思っております。
①と ③の中間的なタイプのお店もありますね。

①や②は、お店に入りやすいというのが、利点ではないでしょうか。

③は、専門的な知識が豊富で、細やかに動くことができるため、
世代を超えたお付き合いになることが多いように思います。

ご自分が呉服屋さんに求めるものによって、
選ばれると、良いように思います。



きびそ 名古屋帯

呉服の佐々木は、初代の祖父のころより専門店でしたが、
2代目、3代目と、より一層専門店として、
特化してきたように感じます。

時代の流れにより、大量生産品を扱うお店が圧倒的になる中で、
専門店と呼ばれるお店も、少なくなりましたが、

ネット社会となり、情報が早く浸透する時代となった今、
専門店さえも画一的な方向に行っているように感じている私は、

「 専門店って一体なに?」と、
店主に私の疑問をぶつけると、

「  自分の目とぶれない考え、
信念をもっているお店のこと。」

「ネットや、雑誌の情報に振り回されない。
人のものまねではない、自分の目で、
着物の深いところまで見ているかどうか。

返ってきました。


店主の物づくり~

江戸小紋が染上がりました。

生地質に特徴があります。



効率や利益、生産性からはほど遠い道でしょうが、

「目のある方が、喜んで下さるようなものを。
少しでも割安に。誠実さを忘れず。
見えない部分をごまかさない。」

という信念を貫く道も、良いか・・・と思っています。
そんな珍しい呉服屋さんが
ひっそりとあっても良いかな(笑)。

当店のことを、前から気になっていたけれど、
入るのに、緊張した・・・なんて
言われることがありますが、
そんなことありませんので(笑)。

どうぞ、御気軽にお声を
かけていただけたらと思います。

一つ一つのご縁を大切に精一杯
させていただきたいと思っております。



ホテルフジタ福井1F
「呉服の佐々木」

☎ 0776-22-4124
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