ドイツ語圏のスイスには、Spitex(シュピーテックスと発音)という非営利の民間組織があります。Spital External Help and Careから命名されているそうです。
Spitexは家庭での援助とケアをする組織で、資格が必要な医療ケア、家事サポート、社会的サポート等々を行なっています。
今回、私はMusikSpitexというところで書類審査 → 面接 → オーディションを経て、働けることになりました。
一般的なSpitexとは違い、家庭だけでなく介護施設などにも赴き、希望者に音楽を演奏して心の支援をする団体です。
昔ハープを弾いていた頃にはハープセラピーに興味があり、調べていた時期がありました。
ハープセラピーとは簡単に言うと、病床にある人にヒーリング音楽を生演奏するというものです。
音楽療法(music therapy)とは違い、療法音楽(therapeutic music)を演奏するので、それをする人も音楽療法士ではなく療法音楽士と呼ばれます。
持病で手の強張りがひどくなり、ピアノもハープも思うように弾けなくなってからは、この療法音楽のことも諦め、忘れていた時期もありました。
でもどうしても演奏することに戻りたくて、この手の状態でも弾ける楽器を探して、タンドラム / タングドラムを弾くようになり、人との出会いを通してこのMusikSpitexという活動を知ることができました。
応募した時には、私は音大出身ではないので書類選考ではねられるのではないかと思っていたんですが、幸いなことにオーディションにまで進むことができました。
オーディション直前は、ここ数年で一番緊張していました。
当日は朝食も喉を通らなかったくらいです。
片道1時間ちょっとだったので、緊張をほぐすのに好きな曲を掛けて歌いながら運転して行きました。
そして階段で疲れて手がぷるぷるしたのでした。
来週には、認知症の人への対応の仕方を含めたコーチングや演奏者のための応急措置等々のコースがあり、それらを全て受講すると、お仕事をすることになります。
(受講費用はMusikSpitexが負担してくれるので、参加者の負担は交通費だけです。)
準備コースとは別に、シュラーガーも含めて、高齢者の方々に人気のある曲のレパートリーを増やそうと頑張ってます。
そう、シュラーガーも含めて、です。
シュラーガー以外だと、
こんなのとか。
ハンマードダルシマーで始まって、ヨーデルに繋がっていくというある意味スイスの王道のパターン?
スイスに王様いないですがw