TSMC、回路線幅2nmの半導体試験ラインを年内に完成する計画明らかに | ボルタのブログ

ボルタのブログ

色んな記事をまとめ、自分の考えであるコメントをつけるそんなブログです

本文は、6月3日の日経新聞の要旨及びそれに関するコメントです

要旨

 半導体世界最大手のTSMCは2日、回路線幅2nmの半導体の試験ラインを年内に完成させる計画を明らかにした。これは、現在主流の先端品である5nmの2~3世代先を行く。5nmの半導体を使った製品はiphone12が挙げられる。

 今回、TSMCは5nm品よりさらに性能が優れる3nm品、2nm品の投入計画を示した。(Table1)

 

Table1 TSMCの半導体研究・開発スケジュール

 

 大手民間シンクタンクの半導体アナリストは、今後の半導体の性能向上には主に以下の3つのアプローチが必要だという。

①回路線幅1nm以下の半導体の開発

②パッケージング技術開発

③シリコンウエハーに代わるGaNなど第3世代素材の開発

 TSMCの独走に待ったをかけようインテル、IBM連合やサムスンはこれら3つのアプローチから切り崩しを狙っている。

 米IBMとインテルは、5月6日、2nmの半導体の試作品の作成に成功したことを発表している。

 

コメント

・IBMが開発に成功した2nmの半導体は、現在主流の先端プロセスである7nmプロセスと比較して、チップの演算性能を45%高めるか、あるいは消費電力を75%削減できるという。また、早ければ2024年後半には2nmプロセスのチップを実用化できる見通しという。

・米IBMによる2nmプロセスの発表より1カ月ほど前の2021年3月23日、米IインテルはIBMと半導体製造技術を共同開発すると発表している。

・TSMCは、日本と協力し、パッケージング技術の開発を手掛けると発表している。経産省は、TSMCが日本に設ける新拠点の開発事業を支援することを発表している。[1]

 


[1] ボルタのブログ:経産省、半導体製造世界最大手TSMCの日本拠点の開発事業を支援 URL;https://ameblo.jp/toneriko1517/entry-12678481050.html