不思議なボディワーク「自強法」を受けた際に聞いた『運気を劇的に上げる方法/奇門遁甲』。

 

2016年、僕は本当に運が悪かったのです。

 

そのラスボスが「肺癌ステージ4」でした。

 

肺癌の告知を受けた後も車をぶつけたりして、お先真っ暗(笑)な感じだったのです。

 

このままだと、年内もたないかも…

 

いや違う!

 

運気を上げて、癌を克服するんだ!

 

そのためには、何でもやる。

 

昔、諸葛孔明が赤壁の戦いで魏の曹操軍をやっつけた、秘儀。

 

嘘か誠かわからないけれど、とにかくやってみる…

 

しかし、これは本当に面白い体験でした。

 

 

 

12月17日刊行予定

実録ノンフィクション

「僕は、死なない。」

全身末期がんから生還してわかった、人生に奇跡を起こすサレンダーの法則

刀根健著

ソフトバンククリエイティブ

 

著者によるブログ無料公開 第22回

 

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第1部『体験編』

 

11 奇門遁甲

 

 

 あっという間に10月になった。

 

 がん宣告を受けて1カ月。

 胸の真ん中が時々重くなったり、咳が出ることもあるけど、まだ生きている。

 

 今日は運気を大幅に上げる奇門遁甲の日だ。

 今日で今までの悪い流れを断ち切るんだ。

 

 僕は心の中でつぶやくと早朝の電車に乗り、トキさんの事務所で合流した。

 

 事務所ではトキさんがヒノキの原木から杭を削りだしていた。

 見せてもらうと、その杭に何やら墨で文字が書いてあった。

 僕の名前と健康祈願という文字だけ判別できた。

 この杭を打ち込むための金槌、打ち込む場所を確認するための金属棒、打ち込む場所に蒔くお神酒とお米とお塩が準備されていた。

 

 二人で電車に乗り込み立川で下車。

 ここでレンタカーを借りてひたすら西を目指す計画だ。

 今日の10月1日の方位は西なのだそうだ。

 僕が住んでいる場所から距離が遠ければ遠いほど、効果が出やすいと言う。

 

 立川では調べておいたニッサンレンタカーの場所を地図アプリで探した。

 僕は普段トヨタ車に乗っているので、今日は日産車に乗りたかった。

 しかし、事前に調べていた場所にお店が見当たらない。

 

 おかしいな? 

 

 ウロウロと立川の町を歩き回った。

 少し歩き疲れてきた頃だった。

 目の前にニッポンレンタカーが現れた。

 僕たちは目を合わせた。

 

 ま、いいかニッポンでも……。

 

 結局ニッポンレンタカーでスズキ車を借りることになった。

 スズキ車は軽快なエンジン音を響かせ、僕たち二人を乗せて高速道路に入った。

 

「このまま山梨まで行こう」

 トキさんが言った。

 

 山梨で高速を降り、そしてさらにひたすら西へ西へと走っていく。

 車窓を流れる景色はだんだんと木々が生い茂る山道になってきた。

 

「いいね、人がいないほうが打ちやすいから」トキさんが言った。

 

「まあ、変わったことをするから、誰かに見られないほうがいいんだよね。別に悪いものじゃないけれど、あとで興味本位で掘り返されたら効果がなくなっちゃうし」

 

「確かにそうですね。何を埋めたんだろうって思う人がいるかもしれないですしね」

 

「だからなるべく人のいない、山奥とか川っぺりとか、そういう場所を探すんですよ」

 

 道はどんどん緑が濃くなっていく。

 しかし、ところどころに軽トラックが止まっていたり、山奥なのに人が歩いていたりする。

 よさそうな場所を見つけても、土のすぐ下が固い岩盤だったりして中々よい場所が見つからない。

 

 スズキ車は僕らを乗せて山道を走っていく。

 高速を降りてもう3時間が経っていた。

 だんだんと日が傾いてくる。

 

「なかなかいい場所が見つからないねー」

 トキさんも少し焦ってきたようだった。

 

「おっ、あそこはどうかな?」

 トキさんが指差した。そこは山道から上に石の階段が続いていて、その先には神社がありそうだった。

「ちょっと見てみます」

 トキさんは車を降りると階段を登っていった。

 

 誰もいない静かな山道と、上に続く石の階段。

 不思議な静けさに満ちた場所だった。

 しばらくしてトキさんが降りてきた。

 

「とてもいい場所です。土も柔らかい。ここにしましょう」

 

 僕は金槌やお神酒が入ったリュックを担ぐと、石の階段を登り始めた。

 この土地に古くから祭られている神社なのだろう、歴史を感じさせる石のすり減り具合だった。

 

 階段を登ると、広い空間の向こう側に古い神社が現れた。

 神社の手前には直径1メートルはあろうかと思われる立派な巨木がそびえ立っていた。

 

「立派な木だねー」

 トキさんはまるで懐かしい友人と出会ったかのように目を細めた。

 

「この木がこの場所を守っているんだね。これ、ご神木だよ」

 トキさんは愛しそうに木を撫でた。

 

「どこに打ちましょうか?」

 

「うん、神社の裏側が結構空いていてね、土も柔らかくていい感じなんだ」

 トキさんは僕を案内するように神社の裏手に回った。

 

「ここらへんがいいかな?」

「その前に、お清めをしよう」

 トキさんが言った。

 

 僕はリュックからお神酒とお米とお塩を出して、杭を打つ場所にそれぞれまいた。

 お清めが終わると、僕はリュックから木の杭を出すと、地面に立てた。

 

「あ、向きに注意してね」

「向きですか?」

「うん、自分の名前は外側に向けるように」

 

 僕はトキさんの注意に従って木の向きを変えた。

 

 杭を地面に立て、杭の上にタオルを当てて金槌で叩く。

 

 コーン、コーン、コーン

 

 誰もいない森の神社、静溢な気に包まれたこの場所に、気持ちのよい乾いた音が響く。

 

 コーン、コーン、コーン

 

 地面はふわふわで柔らかく、あっという間に木の杭は土の中に吸い込まれていった。

 

「よろしくお願いします」

 

 僕は打ち込んだ場所で手を合わせた。

 

 どうか運気が上がりますように。

 

 このとき僕は、この一連の出来事がその後の奇跡的なつながりの発端になることなど、知る由もなかった。

 

 

 

〈つづく〉

 

 

不思議な体験でした。

 

この奇門遁甲がはその後、クリニックを決める際の決定的なものとなります。

 

(その経緯は、もうしばらくお待ちください。そのうち、出てきます)

 

そして、そのクリニックから東大病院へとの流れになるのです。

 

そういう意味ではこの奇門遁甲が、癌からの生還を導いたといっても過言ではないと思っています。

 

癌から生還したのち、トキさんにあいさつに伺い、事情を話したところ

 

「おお~そんなふうに作用したんですね! 予想外でした」

 

と大変喜ばれておられました。

 

まあ、偶然なる必然ってやつかもしれませんが(笑)。

 

とにかく、当たるも八卦当たらぬも八卦でしたが、なんでもやってみるという姿勢は大切ですね。

 

世界はでっかいタペストリーで、僕はその中の模様の一つ。

 

目の前に展開する出来事が、どこへどうつながっているのかなんて、僕のちっこいエゴでは分からないのですから。

 

そして、次回からは『代替医療クリニック巡り』が始まります。

 

いろんな治療、いろんなドクターに会いに行きました。

 

 

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