この鳥はVulture、いわゆるハゲタカだ。
オレの会社の2階の会議室のそばに住んでいる。
窓ガラスごしに近くから見れるので動物園並みに迫力満点。
客や本社からのお偉いさんが来るとみんなこの鳥に驚く。
「こんなに近くで初めて見た！」と興味津々。
掃除夫は「役所に連絡して駆除してもらった方が良い」と言っていたが
愛着が沸いたのでそのまま見守ることにしてみた。
屍肉を食う彼らはアメリカでも不吉の象徴。
建物周辺に３～４羽群がっていたときはさすがに不気味だった。
しっかし本社で不人気な職場のオレらにはお似合いのマスコットだ。
ある日、卵を発見しみんなで毎日観察開始。
ある日、その卵は孵り、
ある日、雛は日に日に成長し、
ある日、親鳥と見た目が変わらなくなり、
ある日、共に羽ばたいて行った。
もうそこに彼らはおらず、一年は経ったろうか。
そんな先週、彼らは帰ってきたのだった。
やっぱり冗談じゃない。
次はオレが出て行くよ。