こんにちは。
ハイ・パイン・サンキュー!です。
いつもとなりのかがわさんをお読みくださり、ありがとうございます。

 

雲が少しあるけれど、気持ちの良い風が吹いています。

湿度が低く、爽やかな秋の気配を感じます。

 

さて、瀬戸芸、瀬戸内国際芸術祭の会場の一つ、犬島へ行ったお話の続きです。

そういえば前回は書き忘れていましたが、夏会期の最後の方に行きました。

秋会期が9/28からなので、もう間もなくですが、もし岡山市の沖合、瀬戸内海の犬島や、犬島精錬所美術館、そして、近代産業遺産なんかに、もしご興味がおありでしたら、どうぞお読みください。

 

 

犬島精錬所美術館

ですので、今回はその中に入って行くところからです。
 

犬島精錬所美術館は、犬島に残る銅製錬所の遺構を保存・再生した美術館です。「在るものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもと作られた美術館は既存の煙突やカラミ煉瓦、太陽や地熱などの自然エネルギーを利用した環境に負荷を与えない三分一博志の建築と、日本の近代化に警鐘をならした三島由紀夫をモチーフにした柳幸典の作品、また植物の力を利用した高度な水質浄化システムを導入しています。「遺産、建築、アート、環境」による循環型社会を意識したプロジェクトといえます。

犬島精錬所美術館 | アート | ベネッセアートサイト直島より引用

なるほど、昔銅の精錬所があったのですが、そこが閉まり、そのままになっていたのですが、美術館として再生した、ということなのですね。

直島や豊島同様、ベネッセが管理・運営している美術館です。

 

 

一部危険個所があるので、見学は個人の責任で、と書いてあります。

時折他の方の記事でも、瀬戸芸の犬島の様子なんかを拝見していて、何となく廃墟っぽい雰囲気とか、崩れかけた煙突なんかが紹介されていました。

ムムム、危険個所、とこの時には思ったけれど、少しアップダウンがあるので、シューズで行けば、特に問題はないかと思います。

しかし、実際に行ってみると、美術館のまわりは綺麗に整備されていて、歩きやすかったです。

 

遠くに見えていた煙突も近づいてきました。

 

 

進む方向には黒っぽい壁と言うか、柵のようなものがあるので、見に行きたくなる雰囲気です。

 

 

おお、いきなり砂地や緑の世界から、黒い焦げたレンガの世界に来たような気持になります。

 

 

個人的な印象で言いますと、これはラピュタのパズーが働く鉱山のようです。

 

 

近づいてよく見ると、鈍く深い焦げ茶色、黒く焦げたような色が全体を覆っています。

 

 

鉄でも土でもない、ワックスを塗った艶のようなのがありますが、触ってみるとざらっと乾いた感触があります。

カラミレンガという、銅精錬の過程でできる排出物を固めたものだそうです。

 

 

なかなか素敵な感じのところなので、僕はここで一日空から女の子が降ってくるのを待ち続けてもよいのですが、奥さんは暑いから早く中へ入ろうと言います。

 

 

ここ?ここから入るん?と聞いてきますが、ここ以外には煙突の建物の方へは近づけません。

 

 

まあ、まだ100年ちょっとですが、文明が一つ終わり、しばらく経つとこんな感じなのだろうなというつくりになっています。

 

しかし、どうやらここが美術館に通じる入口のようです。

 

 

 

ひょっこりと係の方が出てきて、チケットを拝見します、と言われたのですが、すみませんチケットを持っていません、瀬戸芸のパスポートなら、と提示します。

お待ちください、とスタンプを押して、中へ通してくれました。

本来であれば、チケットセンターに寄って、チケットを受け取ってここへ来るのですね。

 

さて、中は撮影ができません。

結構暗くて、不思議な展示がある場所でした。

 

 

もっと暗くて、足元もぼんやりとしか見えないような場所ですが、この世からあの世を覗いているような、そんな感覚でした。

 

 

美術館の外に出ると、屋外に庭園のようなところがありました。

風が吹き抜けていくので、日差しはあるけれど、気持ちの良いところでした。

 

 

ここだけ芝生の庭園になっていて、草の生えたロボットなんかが歩いてきたらどうしよう、と言う感じです。

 

海の方を見ると、全体を上から眺めることができました。

 

 

 

 

なるほど、ちょっとした迷路のようになっているのですね。

綺麗な景色だな、なんて思っていると、奥さんがガサゴソしながら、「ない、パスポートがない、下に落ちたかも…」なんて言っています。

確かに少し風が吹いていたので、風向きから言えば、飛ばされて行くのはこの下の入り口の辺りです。

僕も見たけれど、青い紙片は見当たりません。

落とした?、たぶん、と言うので、仕方なく僕は下へ探しに行きました。

一度美術館を出ると、一方通行になっていて、出口からは入ることができません。

ぐるっと回って再度入口へ。

 

 

そして再びここに立ち、僕はふと思ったのですが、パスポートがなければ再入場もできないじゃないか…。

 

 

そう思い自分の後ろポケットの辺りを触ると、そこにありましたパスポート。

完全にお互いに勘違いをしていて、風に煽られて飛ばされたのでもなく、落ちたのでもなく、僕のポケットに入っていたのでした。

この場所から、丘の上に立つ奥さんに

「ポケットにあった!」と言った時の「はあ?」という表情は、なかなか面白いものでした。

気を取り直して、再び入場。

先ほどの係の方が顔を覚えていて(それはそうだ15分前)、再入場ですか、と通してくれました。

結局僕は意図せず2回美術館に入ることになったのですが、じっくりと見られて、それはそれでよかったです。

 

 

これから訪れる方もいるだろうから、あまり内容にはふれませんが、上の写真の四角い井戸のような形のところ、是非行った際には覗きこんでみてください。

2度行ったので、それでその仕組みが理解できたけれど、1度だとわからなかったかもしれません。

近代化産業遺産

美術館を抜けて行くと、その奥には近代化産業遺産のエリアがありました。
 
1909年に地元資本によって建設された犬島製錬所は、煙害対策や原料輸送の利便性から、島に建設されたものの、銅価格の大暴落によってわずか10年で操業を終えました。現在の犬島には銅の製錬過程で発生する鉱滓からなるカラミ煉瓦造りの工場跡や煙突など、かつての大規模な製錬所を彷彿とさせる多くの遺構が良好な形で残されており、日本の産業発展の過程に置いて革新的な役割を果たした遺構として、平成19年度経済産業省による「近代化産業遺産群 33」のうちの「story30」に認定されました。
僕は美術館を抜けたら終わりだと思っていましたが、階段を上ってその先に行けるようになっていました。
 
 

階段を駆け上る途中で転んで、ポケットの金貨がこぼれ落ちないように気を付けなくてはいけません。

 

 

 

もちろん僕は犬島を訪れるのも、この場所を訪れるのもはじめてなのですが、久しぶりにここに来たら、随分変わっていたな、という気持ちになるのが不思議なところです。

 

 

レンガの壁を抜けると、次々に違う景色が現れます。

 

 

この上で、朝ラッパを吹いて、ハトに餌をやり、首に飛行石をぶら下げて落ちたら、こんな崩れ方になるだろうかと思います。

 

奥に長く続くトンネルが4つ。

 

 

もしかしたら、このうち一つから、空中海賊の一団が飛び出てこないかと思って覗いてみます。

 

 

残念ながら、何も出てこなかったのですが、結構長いトンネルになっています。

遠くには反対側の口が見えたから、きっと何かを向こうとこちらで行き来させていたのでしょうね。

 

上って下りてを繰り返すうちに、徐々に茂み深くまでやってきた、と言う感じです。

 

 

再び広場のような展望が広がる場所に来ました。

 

 

 

区切られた部屋のような建物が残っていました。

その屋根を取り除き、覗き込んでいるような気持になります。

 

何気なく南の方角を見ると、島の影が見えていまして、きっとあれは小豆島。

 

 

 

蔦の絡まる煙突の脇に、そういえばこの間行った小豆島・沖之島が見えました。

作品がちょうど反対側になるのですが、キラキラと光るのがあるのだよな、とここから想像しました。

暑かったけれど、やはり行っておいてよかったです。

 

島の内側にある煙突は、もうすでにほとんど森に飲み込まれようとしています。

 

 

元々はもっと頑丈な、立派な煙突だったのだろうな、と思います。

 

 

近くに寄って見てみたいけれど、崩れるかもしれないと思うと、なかなか近づけません。

 

山の中の道を先に歩いて行きます。

舗装されているわけではないので、雨などの後は滑りやすいかもしれません。

 

 

特にここに何かがある、と言うわけではないのですが、何となくカメラを向けたくなるところです。

 

 

道に沿って進むと、先ほど煙突だけ見えていた場所に出ます。

なるほど、下の方はこんな感じになっているのですね。

 

 

ちょうど雲が空を覆ってしまったので、暗い感じになってしまいましたが、きっと良い天気だとまた印象も違うだろうと思います。

 

 

壁の一部が残っただけになっているのか、何だか不思議な感じの場所でした。

 

最後に海沿いに出て、近代化産業遺産は終わりです。

 

 

海の浅瀬では、下が透き通っていて、底が見えました。

 

 

湾のようになっているけれど、海には入れそうにもありません。別の場所に海水浴場があるのでしょうね。

 

 

美術館に入るにはお金が要りますが、ここから入る分には誰でも入れるようになっていました。

 

 

最初に歩いた入口に戻ってきました。

上から一度見てから来ているので、どのくらいの広さか、全体がどんな雰囲気なのかが把握でき、最初とは印象が変わります。

 

 

瀬戸芸犬島の動画です。
もしよろしければチャンネル登録お願いします。

 

そんなにドキドキするような大冒険は僕には起こらなかったのですが、非日常感はたっぷりと感じることができました。

かがわでも、時折そういうことがあるけれど、あら、ここは一体どこだったろうか、という気分を犬島精錬所美術館周辺では味わえると思います。

次回は、犬島の瀬戸芸の作品やご飯を食べたことなどを書く予定です。

また引き続きご興味がおありでしたら、どうぞご覧ください。

 

それでは今日はこの辺で。

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

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