こんにちは。
ハイ・パイン・サンキュー!です。
いつもとなりのかがわさんをお読みくださり、ありがとうございます。

 

昼過ぎに雨は上がりましたが、また夕方から雨と風が出てきました。

倒木があったり、風で煽られたりというニュースがあるので、被害がないとよいなと思います。

 

さて、小豆島の瀬戸芸を観に行ったことを書いています。

ちょうど間の中編という位置づけになるのですが、今回は訪れた沖之島の方から「発信してよ!」と頼まれているので、頑張って書きたいと思います。

普段はそういうことをあまり意識していないし、そう思われないように振舞っていますが、写真を撮っていたからか、「この人は何かにするつもりだ」と思われたのかもしれません。

確かに行った先で、これは瀬戸芸だ!そうそう、最初のうちはこんなかんじだった、という雰囲気があり、今回の小豆島もとてもよかったところです。

もし、瀬戸内海、小豆島のことや、そこからさらに船で渡る沖之島のこと、瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)のことなんかに、もしご興味がおありでしたら、どうぞお読みください。

 

国境を越えて・波

肥土山地区の「小豆島の恋」を観て、こまめ食堂で昼食を食べた後、どこに行く?ということになりました。

奥さんや子どもは特に希望がなかったようだから、僕は行ったことのない大部(おおべ)地区の方へ行きたいと提案します。

地図も見ず、地理に疎い2人は「いいよ」とのこと。

なるほど、今度から地区の名前で行き先を伝えることにしよう…。

 

行く途中に、大鐸幼稚園近くのプールを改装した新しい作品があるというので、立ち寄りました。

 

 

昔の小学校の建物があって、目印にしたのは「大鐸(おおぬで)幼稚園」です。

僕は3度目なので分かったけれど、はじめてだとわかり難いかもしれません。

 

 

駐車場に到着です。他の日はよくわかりませんが、この日はそんなに駐車場も混むことなく停められました。

車で来られて、子どもと一緒に行きやすいといのが、小豆島の魅力の一つです。

 

 

この道をまっすぐ進むと小豆島の恋の方へ抜けられる(約1.6km)ようです。

右手に川があるのですが、その川の向こうに渡ると「猪鹿垣の島」もあります。

 

 

 

なるほど、使われなくなったプールを作品にしているのですね。

 

 

 

大小さまざまな花が植えてありました。

 

 

 

これまで統廃合で利用されなくなった校舎の作品はあったけれど、プールはなかったので新鮮な感じでした。

植物がこの後成長していくと、また雰囲気が変わっていくだろうなと思います。

 

肥土山を出て、小豆島の北部へ向かいます。

 

 

僕は利用したことがないのですが、小豆島大部港(おおべこう)と岡山県日生港(ひなせこう)を結ぶフェリーがあります。

 

港に行く手前、大部公民館の駐車場が瀬戸芸の臨時駐車場になっていました。

 

 

暑い中でしたが、地元の方が案内係をされていて、「リンさんの作品から浜をそって歩き、児童館のところを抜けて次の作品にけるよ」ということを教えてくれました。

たぶんこんな感じだろうか、と思っていましたが、行ったらその通りでした。

教えてくださって、どうもありがとうございました。

 

 

大部地区は、前回2016年の瀬戸芸でも随分評判となっていたのですが、とうとう僕は行けませんでした。

高松港に同じ作家さんの「国境を越えて・海」があるので、小豆島のこちらの作品も一度観てみたいと思っていました。

 

2016年3月高松港 国境を越えて・海 

設置されて間もないので周囲の芝生も、サイドの手摺もない

 

 

路地を歩いて進むと、三角の日除けのようなものが見えてきました。

 

 

個々が受付になっていまして、この日もテレビの取材なのか、カメラのクルーがいました。

 

 

 

小豆島の恋もそうでしたが、竹を使って作られているようです。

トンネルを抜けて行くと、

 

国境を越えて・波 リン・シュンロン(林舜龍)

 

うわ、大きい何かがあります。

これは説明を入れておいた方がわかりやすいかもしれません。

堤防の内側の広場に数千本の竹による海洋生物を造形
数千本の竹を使い、丸くてふわふわとした海洋生物を造形。風に揺られ動くその姿は、3年前にこの海岸から故郷へ帰った世界の子供を招いているよう。作品内部に入ると、神聖な空間があり、太陽の光が竹の隙間から差し込み、海風が吹き抜ける。海に目を向けると、水平線を歩いて戻ってきた世界の子供のひとりが見える。

小豆島 | 瀬戸内国際芸術祭2019より引用

なるほど、前回は海に子どもの像がありましたが、その子たちを招く生き物なのですね。

 

 

中に入ってみます。

最初はただ眺めていたのですが、係の方が「足をのせてブランコになるよ」というので、子どもがしていました。

子どもと来る瀬戸芸って、大変だけれどこういう楽しみがありますね。

 

 

またまた秘密基地のようなトンネルをくぐり(ちょっと狭い)、

 

 

 

外に出ます。

 

 

わあ、突然海岸に出るので、これもまた驚くような景色です。

 

右には大部港のフェリーが見えました。

 

 

左には小さな島がぽつりぽつりと見えました。

 

 

少し陽が当たり、暑かったのですが、風が吹いていたのでしばらく海辺から景色を眺めました。

海から見ると、また違ったように見えるのでしょうね。

 

 

続いて、小豆島の木へ向かいます。

歩いて5分くらいで行けるのですが、この辺りで3人とも少し体力の消耗がありました。

 

 

もうひと踏ん張りして、観て行こう、と励ましながら坂を上ります。

 

 

建物の中にある作品のようで、フラッシュを使わなければ、撮影は大丈夫とのことでした。

暗いかもしれないね、とはじめての作品に少しわくわくするところです。

 

 

小豆島の木 竹腰耕平

 

「どんぐりの木を手で掘ったんで」と教えてくださっていたのですが、木の根が宙に浮いていて、それを見上げるという面白い体験でした。

 

 

倉庫のような中なので、とても暑いのですが、それがまたいっそう土の中にいるような気持になってきます。

奥さんと子どもは早々に出ましたが、僕は出来る限り中にいました。

木の根っこ、言われてみればこうやって見たことはないような気がします。

一本の木から、こんなにと思うほどの長さに根が伸びていて、ああ見ることができてよかったな、と思います。

 

そして、出てみると、奥さんと子どもは座って係の方と話していました。

どこに行こうかと思っているんです、と言うと

「沖之島(おきのしま)に行った人、よかった言うてたよ!渡船があるし、無料やで」

と教えてくれました。

 

ムムム、沖之島、夏会期から会場となった新たな作品で、渡し船で行く、と聞いていました。

どうする?行く、と聞くと、どっちでもよい、とのことだったので、行ってみます。

船で渡る小豆島の沖之島

しかし、その前に涼しいところ(エアコンのある)で座って休憩したいというので、どこかないかと探しましたが、ありませんでした。

一つくらいカフェや喫茶店のようなところがあってもよさそうなところですが、向かった方向には、ありませんでした。

そこで、作品もあるというので、道の駅大坂城残石記念公園に立ち寄ることにします。

 

 

道の駅なので、駐車場は広いです。

残石資料館や郷土資料の展示がありましたが、エアコンはなく、僕以外は興味がなく、ぐったり…。

売店があって、そこはエアコンがあるのですが、入って行ったが最後、何かを買ったりコミュニケーションをとらねばならなそうな雰囲気です。

カウンターとキャンプのテーブルのようなところに、常連さんらしきおじさん(と言っても僕とはそんなにかわらないけれど)が、どっかりと腰かけ、談笑しています。

入らず車に帰って行った家族もいたけれど、僕はこの先もエアコンはない、と読み(当たった)、中へ入ります。

案の定「いらっしゃい、中に入り」「おひとり?」なんて聞かれます。

ああ、これは少しお話をしなければいけないところだ、と思っていましたが、直後に自転車に乗った方が一人入ってきたので、そちらの方に話題をバトンタッチ。

お店の方も「奥にも席があるので、どうぞ」と勧めてくれまして。ソフトクリームを買って、奥で食べさせてもらいました。(本当にそういう感じ)

何で道の駅でこんなに気を遣いながらアイスを食べなければいけないのだ、と思う気持ちもあるけれど、ここは地元の方の憩いの場のようです。

僕たちは外からの観光客なのだから、静かに、しばらくゆっくりさせてもらいました。

車の中でエアコンがあるから、と思っていましたが、日中は窓から燦燦と陽が降り注ぎ暑かったので、休憩できてとても助かりました。

 

最も暑い時間だったので、僕だけ作品を観ました。

 

 

 

2016年の会期後に、こちらに移設されてきたのだそうです。

 

ダイナマイト・トラヴァース変奏曲 秩父前衛派

 

道の駅から、さらに海岸線を15分ほど走ります。

本当にこんなところにあるのだろうか、と思うと、その都度道沿いに瀬戸芸の青い看板が見えてきます。

 

道沿いに15台ほど停められそうな駐車場がありました。

 

 

車を降りて行くと、「渡船のりば」という看板がありました。

 

 

示されている方向へは細い路地になっていますが、進んで行きます。

こちらでも、地元の方(おじいちゃんたち)が集まっていまして、口々に沖之島の作品の説明をしてくれます。

 

 

「今はええで。暑いけどええ時に来た。晴れてきたけんな。ダイヤを6千も置いとるで」

「カメラには映らんで」

「すぐに船が来るけん、待ってよ」

「あそこ、あれ見て、あそこが光っとるで」

 

と、とても断片的にですが、船を待つ間に僕や奥さん子どもに説明をしてくれましたが、ほとんど方はわからないと思うので、公式サイトのスマートな説明も引用しておきます。

小豆島対岸の沖ノ島の独特な地理環境に溶け込む作品
小豆島からおよそ170メートル離れた対岸に、沖ノ島という小さな島がある。この島のある場所に、水晶ダイヤモンドを設置。太陽と月の明かりの反射の角度によって、島のなかの時間の流れを感じさせる。この作品はやがて地域に溶け込み、島の環境と歴史を人々に考えさせるようになることだろう。

小豆島 | 瀬戸内国際芸術祭2019より引用

瀬戸芸は「沖ノ島」としていますね。どちらでもよいのかな。

 

 

なるほど、船で渡った海岸沿いに、水晶ダイヤモンドを6000個ほど設置してあって、光の加減で見え方が変わる、ということなのですね。

 

その前に渡船です。皆さんは渡船で島に渡ったことはありますか?

渡船、どんな感じだろう、って思いますよね。

 

 

しばらくすると、向こう側から小型船が「トットットットットッ…」と音を立ててやってきました。

 

 

先に乗せてきたお客さんが降りて、その後に乗ります。

 

 

わぁ、前回2016年に大島へ渡った時よりも、さらに小型の船です。

なかなかこうした船に乗ることはないので、ちょっと嬉しいです。ブルンルン、ブルンとエンジンがかかり、再び船が出ます。

この写真を見ながら、僕はなんか見たことあるな、と思ったら「瀬戸の花嫁」の景色ではないですか。

時々テレビのドキュメンタリーなんかでも取り上げられます。

 

もう何十年も経ってしまったけれど、芸予諸島でしたが、僕は当時伯父が運転するこうした船(もう少し小さい)に乗り、そのまま海に飛び込んで泳いだり、釣りしたりした思い出があります。

海の中、思うよりも表面だけが温くて、中の方は冷たいんだよな、ということを思い出しました。

そして、きっと祖母や伯母も、かつてこうやって船に乗って渡ってきたのだろうな、と想像しました。

 

2.3分で沖之島に到着です。

 

 

対岸でも高齢の男性が、「ほら、そこにあるで」と教えてくれます。

よくよく見ると、本当だ、ありました。キラキラ光るものが。

 

 

 

確かに、カメラでは捉えきれないような、ほんの一瞬の煌めきです。

これ?と尋ねると、それは石英じゃ、と言われるような、そんな程度の輝きです。

一人一人、そして天気や太陽の傾きのよっても、全く違うのだそうです。

 

 

怪しく輝く謎の石、ではありません。瀬戸芸の作品です。

 

OKINOSANG/元気・覇気・卦気 クー・ジュンガ

 

げんき、はき、まではわかるけれど、「卦気」は読みにくいですね。けき、と読むのでしょうかね。

 

もう少し沖之島の島内を歩いてみます。

大部の方は「ハモカツがあるかも」と言っていましたが、もう15時頃には店じまいされていました。

 

 

船着場から回り込むように港を歩いていると、網の手入れをしていた方が、「そこにもあるで」と教えてくれました。

本当だ、レンズには映りにくいけれど、光っています。

 

 

奥さんと子どもは「暑い、暑い、まだ」なんて言い始めていましたが、そうそう瀬戸芸って最初はこんな感じでした。

地元の方が、自分の住む地域に芸術作品ができて、どこからからたくさん人がやってきて、ここに作品があるよ、と教えてくれる、この感じです。

もう何回も(4回)開催されているから、慣れてきてしまったり、当たり前になったりする感覚が少しあったけれど、ここ沖之島ではそういう瀬戸芸のはじまりの頃みたいな雰囲気を感じることができました。

 

 

山を越えて、反対側の海の方へも行ってみます。

夏だから、暑くて歩くの大変だろうけれど、是非頑張ってこの坂を超えてみてください。

 

 

僕はこんな場所から屋島や小豆島を見たことがありません。

 

 

そして、豊島や小豊島(おでしま)が、こんな風に見えるのかと驚きました。

 

 

 

あちら側からはどう見えるのか、気になりますよね。

 

2016年豊島 風のささやきまでの道の途中

 

なるほど、ここは小豆島の先端みたいに見えるのですね。

 

 

海辺で無数にキラキラと光る石を観ていると、何だか海の光がそのまま岸に打ち上げられたみたいで、とてもよかったです。

ああ、これも瀬戸芸ならではだなと思える、沖之島の作品でした。

現地でいただいたマップも掲載しておきますね。

 

 

帰り際、おじさんに「発信してよ!」と言われていたので、そうか、発信か、と思っていましたが、何とか「発信」できてよかったです。

さて、次回が小豆島の最後で、オリーブ公園の風車の広場、坂手港に立ち寄り、うどんを食べながら帰ったお話です。

またご興味がありましたら、どうぞお読みください。

 

それでは、今日はこの辺で。

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

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