こんにちは。
ハイ・パイン・サンキュー!です。
いつもとなりのかがわさんをお読みくださり、ありがとうございます。

 

お彼岸の頃らしく、すぅーっと気温が下がってきました。

今更ですが、夏が終わって秋が来たんだなあと実感する季節です。

 

世間はすっかり秋の話題一色ですが、僕にはもう少し夏休みの記事が残っておりまして、今しばらくお付き合いください。

毎年かがわでは(高松では)、子どもの夏休みにあわせ、郷土の文化や歴史に理解を深める大小様々なプログラムが行われています。

別に参加しても、しなくても構わないのだけれど、夏休み前になると大量のプリントが配布されてきまして、子どもの関心と僕の興味が重なる場合には参加しています。

過去には、

ペタッとシャバシャバ、のり染と藍染をしてみました。「讃岐のり染め藍染めハンカチづくり体験」。とか

たまもんって何ですか?「消しゴム粘土でたまもんと瓦づくり」

などがその類です。

 

毎年外れていますが、「いつかは給食センターに行ける!」と思っていたのですが、今年は紙の告知を見かけず、気がついたら終わっていました…。

しかし、よくよく見ていると、その中に「押し抜き寿司」の文字を発見。

8月に「歴史資料館」が、「青果卸売市場」で、「押し抜き寿司のワークショップ開催」、という多少何かが入り組んでしまいすぎている気もするようなイベントでしたが、以前からかがわの「押し抜き寿司」を見てみたいなあ、と思っていたので、子どもに聞いてみます。

「押し寿司食べれるん?なら行く!」

とすぐに決めてくれました。

 

まあ、とっくに夏休みの自由研究の時期も終わってしまっているし、かがわの押し寿司にどれだけご興味がおありになるかは全くわかりませんが、木型を使った讃岐の郷土料理押し抜き寿司や夏休みの子ども向けイベントなどにご興味がありましたら、どうぞお読みください。

 

 

高松市歴史資料館企画展の関連イベント

さくっと当日の様子へいっても良いのですが、やっぱり何で歴史資料館が押し抜き寿司?というところからはじめたいと思います。

今年(2017年)の7月から9月まで、高松市歴史資料館(サンクリスタル4階)では、「さぬきのFOOD(風土)~食に見る郷土の風景~」という企画展を行っていました。

ざっくりいうと「豊かな食文化を育んだ讃岐の風土、くらしぶりを再発見」という内容だと思います。(すみません企画展は行っていません…)

そして、その関連イベントとして開催されたのが、『ワークショップ「伝えたいさぬきの郷土料理-押し抜き寿司をつくろう-」』でした。

案内を見ると、会場は「高松青果株式会社会議室(高松市中央卸売市場青果棟2階)」とあります。

うむむ、青果市場…。

 

今回のイベントとは関係がないのですが、以前に青果市場に行ったのは確かキウイ香緑の収穫体験時です。

同年代の木を見つけました。「かがわのキウイ『香緑』収穫体験」 *追記あり

あの青果市場の2階に会議室があるのかな?という気持ちでしたが、申し込みをしてみます。

 

今回の募集ははがきやWEBの申込みではなく、先着順の電話受付でした。

まあ、そんなには、とは思うものの、食べ物系のイベントは人気があるから一応早めに、と開館時間9時に電話をしてみます。

「プゥプゥプゥ…」

むむむ、これは人気があるのか、すでに通話中でした。

かつて何かのライブの申し込み(もう10年以上前)以来、久しぶりに複数の電話を用い、発信すること数十回、電話が繋がり無事に申し込みができました。

僕はこの時間に電話ができるからよいのですが、出来ない方は来にくいだろうなと思いつつ、先着順だとやっぱり早めに枠が埋まっていくだろうな、と思いました。

 

当日までに日にちが空いたので、ご丁寧に参加確認のお電話もいただき、当日現地に行ってみます。

電話の係の方が「場所はわかりますか?」と尋ねるので何となく「大丈夫です」と答えたものの、いざ青果市場に行ってみると、広い…。

そして、今日の取引はとっくに終わっていて、閑散としています。

本当に押し抜き寿司はここだろうか、なんて思いながら入って行きます。

普段は一般の方は入れないゾーンなので、入口の守衛さんに尋ねてみます。

 

「押し抜き寿司のイベントで…」

「ああ、はい、はい、2階に上がってくださいね」

 

よかった、場所は間違っていませんでした。

ちょうど青果市場の上の階が駐車場のようになっていて、そこに会場となる高松青果がありました。

 

 

会場となっている会議室に入ると、すでに参加者が集まっていました。

4つくらいのグループに分かれ、座っていました。

母娘グループばかりだと緊張するなあ、と思っていましたが、男性も数名、男の子もいたので、何だか安心しました。

 

しばらくして参加者全員が揃ったところで、スタートしました。

 

この日の講師は郷土料理研究家の十川時子さんと野菜ソムリエの末原俊幸さんという方でした。

十川さんはかがわの郷土料理について検索していると、「監修」などで何度かお名前を拝見したことがあります。

末原さんは以前キウイの時に見かけて以来でしたが、市場関連のイベントでお目にかかることが多いようです。

講師の紹介とお話があった後、「押し抜き寿司のDVD」を全員で視聴します。

「押し抜き寿司のDVD」そんなのがあったのか、という感じで視聴します。

 

 

僕もはじめて見ましたが、作り方がよくわかりました。

 

 

見終わると十川さんから、今日の押し抜き寿司についてのお話がありました。

十川さんが子ども時代、春になると「たらい」に入ったサワラで、押し抜き寿司を作ったのだそうです。

僕も他のかがわさんから、「魚屋さんがバイクに積んで売りに来よった」という話を聞いたことがあります。

お話を聞きながら、きっと春サワラを各家で調達する場面というのは、何か深く記憶に残る風景だったのだろうなと思いました。

 

 

寿司の下に敷くハランの説明をしてくれました。

バランとかハランというのは、プラスチックシートのようなものをイメージしていましたが、大きな形の実物を見たのは僕もはじめてかもしれません。

 

押し抜き寿司を調理

 

作り方の手順を聞き終わると、各テーブルに押し抜き寿司の型が配られました。

 

 

僕は以前に少し形の違う押し抜き寿司の型を借りてサワラの押し寿司をしましたが、今回の型は正方形の「枡」のような型でした。

 

押しずし型1

かがわの親戚に借りた押し抜き寿司の型

 

十川さんに「押し抜きの型は正方形ですか?」と尋ねると、元々正方形のものがよく使われていたそうです。調理道具を専門に扱うお店に行けば、売っていますよ、と教えていただきました。

以前はWEBで探しても、木製の型は見つからなかったのですが、今回は見つけました。

なるほど、1000円位のものなのですね。

知らなかったのですが、「物相型」とか「もっそう型」と呼ばれているようです。

松竹梅や丸型、3つ連なったものなどがありましたが、正方形のものは見当たりませんでした。

そういえば、かがわではかつての嫁入り道具の一つだったと聞いたことがあるので、各家庭にそれぞれの型があるのかもしれませんね。

今回の催しでは、寿司飯や具材などの下準備はほとんどしてくれていました。

 

 

材料の具は、サワラの代わりに穴子の刻んだもの、椎茸、牛蒡、人参、高野豆腐に味をつけて刻んだ具、さくらでんぶ、そら豆、薄焼きタマゴでした。

春であればサワラを使うのだと思いますが、今は時期ではないので、穴子でした。

またそら豆は春に採れたものを冷凍にしておいて、解凍したものだそうです。

 

手を洗ってから、寿司酢を型に塗っていきます。

こうするとお寿司を抜きやすくなるのだそうです。

 

 

性格もあるのだろうけれど、子どもは万遍なく、じっくりつけていました。

 

下にハランを敷き、その上置いた型の底に寿司飯を詰めていきます。

詰めた寿司飯の真ん中あたりに、少し「くぼみ」をつくり、そこに中の具(椎茸や牛蒡)を入れていきます。

この辺りは性格が出るのか、外にはみ出さないように、真ん中になるように丁寧にやっていました。僕ははみ出しても、具の量が多い方がよいと思うけれど…。

さらにその上に寿司飯を載せて、

 

 

上から押さえていきます。

 

 

押し抜き寿司の何が面白いか、という点では、たぶんこの作業が一番です。

型の枠だけスポンと抜くところ。

 

 

中の具もはみ出さずに、上手にできたねえ、と言われ嬉しそうにしていました。

 

型を4、5人交替で使いながら、20分ほどで全員分ができました。

僕も最後にやってみたのだけれど、手間のかかる下準備は何もせずに、何だか一番楽しい部分だけさせてもらって、という気持ちもあります。

 

完成!

全員分が綺麗に出来上がったところで、試食です。

 

 

十川さんのご自宅で採れたミニトマト(上)、玉ねぎと何か忘れてしまったけれどピクルスのようなお漬物(下)でした。

 

 

クロスの替わりに敷かれたペーパーにも、挿絵が入っていてかがわの田舎の風景を思い浮かべながら、いただきました。

少し甘めの寿司飯だと十川さんが言っていたように、確かにほんのりと甘い味でした。

しかし、穴子とそら豆、薄焼き卵との絶妙なバランスで、「ああ、これは美味しい」と思う味でした。

いつも、普通の握りずしに比べご飯が少し多いのではないかな、とか、本当に美味しいのだろうか、と見ている時には思うのだけれど、食べてみると美味しいのが押し抜き寿司なんだなあ、と思います。

ばら寿司ともまた少し違う気もするのですが、何となく長い間親しまれているのがわかるような気もしました。

 

 

子どもの方も自分で作った押し抜き寿司を「美味しい、美味しい」と言いながら食べていました。

 

参加してみて、やっぱり実際に見て習うと、つくった後の感じが違うなあと思います。

出来たものを確かめられるというか、そうかこういう風に作るのかという実感が持てる感じです。

今回は穴子だったのですが、やっぱり春の旬のサワラと採りたてのそら豆を合わせてみたいと思いました。

 

それでは、今日はこの辺で。

 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

 

 

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