元日の地震 | いきょくのまねーじゃーのブログ

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市立砺波総合病院の整形外科医です

元日の地震

 

「地震だな」と呟いた。携帯電話のアラームがなった。そのとき、北陸自動車道を走っていた。31日に実家に帰り、甥っ子たちと楽しい時間を過ごし、元日の15時前に福井を出て砺波に戻ろうとしていた。

 

 北陸新幹線の高架下を通る場所がある。ちょうど通過するときに、新幹線ががゆっくり走っているように見えた。緊急地震速報のために、徐行しているのかと思った。次の瞬間、新幹線の架線が左右に揺れるのが見えた。あたかも映画のCGを見るような感覚だった。信じられない光景だ。

 

 まもなく、車のハンドルが取られそうになった。ゆっくり車を路肩に停めた。揺れがおさまったため、走り出すと、再度揺れを感じて、もう一度停まった。その先には、トンネルが見えた。不安がなかったかといえば嘘になる。でも日本の土木技術はこんな地震じゃ壊れるはずじゃない。

 

 無事砺波に到着して、アパートへ行くと、部屋からアラーム音が聞こえてきた。扉を開けて目にとび込んできた光景に唖然とした。棚のものが落下して散乱していた。アラーム音は、冷蔵庫のドアが開いたままになっていたからだった。冷蔵庫の中のものも飛び出していた。

 

 18時ごろ、病院へ行くと、救急外来は驚くぐらい静かだった。しかし、医局の本棚のものが散らかっていた。それは私の机だけではない。私の本棚は、一部損壊(?)していた。散らかった本を片付けるのに2時間ほどかかった。

 

 いずれにしても、砺波地区は、ライフラインもほぼ問題なく、今までと同様の生活ができることがありがたい。SNSで知る、能登地区の病院の先生は、大変な状況であるという。だからと言って助けに行くのも邪魔になるかも知れない。余震が続いていてる。このあと砺波地区の状況が変わらないとも言い切れない。明日3日には、当院の日直予定。目の前の砺波地区を守るぞと言いたいところだが、そんな力は持ち合わせない。自然と喧嘩しても仕方ない。

 

 我が家の被害状況をお伝えしておく。お汁粉にしようと取っておいた小豆を煮たお汁の入った鍋がひっくり返って、嫁ががっかりしていること。小皿1枚、湯呑み茶碗1つが落下して割れたこと。さらに冷蔵庫から、産卵、いや散乱したたまごが1個割れたこと。(3個落ちていたが2個は無事)こんな冗談を言えるほど、今のところ平穏である。

 

 心配していただき多くの知人から、電話やメールをいただいた。おかげさまで、私自身は、無事である。ありがたいなあ。今年もよろしくお願いします。