ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30(ピアノ独奏:藤田真央)
ドビュッシー:交響詩「海」
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ヤープ・ファン・ズヴェーデン(以下JVZ)率いるフランス放送フィルハーモニー管弦楽団。
ドビュッシーの牧神、まどろむというより、曖昧さを排した趣。鈴?の二人を立たせていたのは初めて見ました。
藤田真央のラフマニノフ、ピアノ協奏曲3番。
初めて聴いた時のモーツァルトの美音が今でも脳裏に残っているせいか、モーツァルトのイメージが強いですが、今回はラフマニノフ。年末にはこの曲とピアノ曲を合わせたラフマニノフの新アルバムが出るそうです。
藤田真央の美音が生きていたのは、例えば3楽章の後半、高音のトリルではキラキラと輝いていました。スケールアップしているのか、前からそうなのかはわかりませんが、音圧の高いオケに負けず芯の強い音を出しているように感じました。
アンコールのドビュッシーが絶品。小さな音でも煌めいて、それでも弾むような音ではなく収斂して静かに消えていく響きに包まれていました。
後半は再びフランスもの。16型通常配置。
JVZのフランスものは今まで聴いた記憶がありません。
ドビュッシーの海、24分。ヴァイオリンの鮮烈さはありながらも、全体としては透明感や色彩感より、マッチョに鳴らしてワーグナーのような響きに聴こえました。ラ・ヴァルスも一点の曇りもなく、弦楽器も分厚い響きで金管に埋もれていません。
アンコールは二曲、エルガーのエニグマ変奏曲からニムロッド、ドヴォルザークのスラヴ舞曲から。最後の曲こそ全管弦楽を派手に鳴らしていました。特にオーボエの濃厚な歌い回しが印象的でした。
終演時は開演からほぼ2時間半が経過していました。
JVZはニューヨーク・フィルの退任の際に「家族との時間を増やしたい」というような話だったかと記憶していますが、最近では韓国や台湾のオケのポストを引き受けていて、さらに9月からはこのフランス放送フィルの音楽監督を引き受けるです。カーテンコールではオケから2度も指揮者への賛辞が示されていました。
日本にはあまり来ていませんが、東アジアでは香港フィルの監督を12年務めたりしていて、以前より少し歩くスピードが遅くなり、高い指揮台に登る際は足元が少し覚束なかったように見えました。
この公演の2週間後はいよいよN響との初顔合わせ。
どんな音が出てくるか。おそらく、マッチョな響きと切れ味の鋭いリズムでねじ伏せるでしょう。
