第2054回 定期公演 Aプログラム

指揮 : トゥガン・ソヒエフ

マーラー/交響曲 第6番 イ短調 「悲劇的」


ソヒエフ初のマーラーは交響曲第6番。プログラムによれば今回はN響への10回目の客演だそうです。(10回の公演でなく、N響を振りに10回目の来日という意味です。)

全曲通して85分、重厚かつ芯のある響き。粘着質でもなく煽ることもなく、この日は少し早いと思ったのは3楽章のスケルツォくらいで、それ以外は全体的に落ち着いたテンポ設定。ソヒエフは曲によりテンポ設定が大きく異なるので想定がつきません。

この日は2楽章がアンダンテでした。私が聴き始めた頃はスケルツォが2楽章であることがほとんどでしたが、最近はこの順が多いようですね。

この2楽章、特に中間部のヴァイオリンの蠱惑的な美しさに惹かれました。

この日はオーケストラ全体が素晴らしく、弦のまとまりも厚みもしっかり良い。5管の木管、大編成の金管、そして2台のティンパニー、打楽器、聴きどころ満載で聴く方としても集中して聴けました。ハンマーは2回。

曲の悲劇的という名前だけを強調するものではなく、純音楽的に描き、悲劇の中にも何か明るさが見えるように聴こえた演奏でした。終了直前の大音響が本日一番の大きな音量で、その後に粒立ちの良いピッチカートで曲を締めました。フラブラも騒音もありませんでした。


ブロムシュテット、デュトワ、ソヒエフが振るとNHKホールのハンディが消えますね。オーケストラからの指揮者への賛辞(足踏み)がすごく、ソヒエフは促されて2回指揮台上で答礼していました。


まだあと2プログラム聴ける幸せ。残りのプロはロシアものが中心になります。また違う響きを聴かせてくれるのが楽しみです。今回のマーラーのようなN響との新たなレパートリーを時間をかけて開拓中、やっぱり次の常任はソヒエフ一択希望。