指揮:ジョナサン・ノット

ソプラノ:ガリーナ・チェプラコワ

テノール:ロバート・ルイス

バリトン:マティアス・ウィンクラー

合唱:東響コーラス

合唱指揮:冨平恭平

児童合唱:東京少年少女合唱隊

児童合唱指揮:長谷川久恵


ブリテン:戦争レクイエム op.66


実演で初めて聴く曲。ノット監督と東響との最終シーズンはsongsがテーマだとインタビューで直々に話してました。声楽曲は今回のブリテン、9月のマタイ受難曲、11月のラヴェル「子供と魔法」と続きます。


ステージ上の配置がいつもと違っていました。

下手側から右に向かって、第1ヴァイオリン、チェロ、奥にコントラバス、真ん中にヴィオラが並び、ステージ上手側には各楽器1-2人ずつで構成される小編成のオケ(10人余り)が並び、コンマスは左右に1人ずつという並び。見たことのない配置です。

歌手はバス、テノールが指揮者の前、ソプラノだけがP席の上、パイプオルガン席に位置していました。


集中力の切れることのないインテンシティの高い1時間22分。初めての曲でも予習はしないので、果たして1時間半弱もつかなと心配していましたが、全く飽きることもなく引き込まれました。

歌詞はラテン語の典礼文が中心で、イギリスの詩人オーウェンの詩による英語の語りが交互に入っています。

全6曲のうち、特に印象に残ったのが最後の「リベラメ」=Libera me=「我を救いたまえ」。前半は戦争の描写の「怒りの日」の鮮烈な音響、後半はオーウェンの詩と小編成オケの対話、女声合唱の天上の美しさ、独唱男性が穏やかに「我々も眠ろう」と続いて、最後の最後にはアーメンの合唱と穏やかで沈潜なフィナーレでした。静かな余韻の中で、今の世の中で起きている戦争の現実と歌詞が刺さります。


ノット監督の声楽曲やオペラ演奏会形式は、毎回歌手が素晴らしく、今回も同様でした。独唱3名の中で、特にソプラノのチェプラコワは声量も声の美しさも圧巻、天上から声が降ってくる感覚でした。パイプオルガン前のソプラノはラテン語の典礼文の神との対話、ステージ上のテノール、バスは英語の戦争にまつわる詩、聖と俗を対比させるために上下で配置を分けたのかもしれません。

そして歌詞全部暗譜!の東響コーラス、迫力はありますが音量に頼ることなくハーモニーが美しく、弱音部分が素晴らしいの一言。最後のアーメンの和音だけでも戦慄ものでした。アマチュア合唱団とはとても思えません。

オーケストラも金管、木管、弦楽、打楽器どれも良かったので書き尽くせません。


オーケストラと独唱、合唱が一つになった4日前の静かな感動が、今もまだ心と耳に残っています。