指揮/アラン・ギルバート

ブラームス:交響曲第3番 へ長調 op.90

ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 op.98

場所をサントリーから文化会館へ移しての後半2曲。

会場ではQRコードを読み取ると過去のこのコンビの演奏がダウンロードできるデジタルスタンプラリーが開催中でした。前回はモーツァルト「ジュピター」、この日はラヴェルの「ボレロ」でした。


この日も14型対抗配置で暗譜、指揮棒なし。

3番は36分ほど、ゆっくり目のテンポ、力まずに内声部もしっかり響かせながら一つ一つの音に目配りを慈しむように、2楽章では弦の深い音色にクラリネット、ファゴットが加わった合奏が、そして3楽章のチェロのメロディーはメランコリックだけど、引き締まって甘ったるすぎない(なんという根拠のない感覚的な表現か…)塩梅で、うっとりするような幸せな時間でした。


4番は40分、1番の時と共通する緊迫感やインテンシティ、重厚感、そして凝縮した熱量を感じました。ダブルコンマス、14型の弦楽に木管2管編成、金管は最大4名でもしっかりホールに鳴り響きます。4楽章の長く澄み渡るフルートソロ、全編通してのオーボエと各楽器の魅力も満載でした。

文化会館のデッドな音響は個人的には好みではありませんが、この日は4階席まで各楽器の音がクリアでしっかりと立ち上がって来て満足。


久しぶりに4曲集中してブラームスを聴きましたが、改めて構成感、完成度の高さを実感。交響曲史上に燦然と輝く名曲を、名コンビで聴けた幸せなひとときでした。1、4番と2、3番が好対照に感じられたのは初めてのことでした。

極私的には3番がベスト、少数派意見でしょうが曲の好みとも関係があるかもしれません、すべての楽章が静かに終わる希少種の交響曲。よってフラブラもありません。


ギルバート、大きな構えで自己主張や誇張は一切なく、曲の素晴らしさを伝えてくれます。まだ50代後半でこれからがさらに楽しみです。初めて聴いたのは20年くらい前、NDRエルプフィルの客演と記憶しているのですが、現地で聴いた時はアメリカの曲でした。余談ですが、コンサートの翌日、欧州内の便で同じフライトにマエストロが乗っていたのを思い出します。NYフィル時代は聴く機会はなく、19年のエルプフィルのアジアツアーを聴いた時から印象が大きく変わりました。在京オケのタイトルの中でも屈指のヒット、これからも継続的に登場してほしいです。