指揮:ジョナサン・ノット(東京交響楽団 音楽監督)

演奏:東京交響楽団

 

ワーグナー:歌劇『ローエングリン』から 第1幕への前奏曲

ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 op. 93

ワーグナー(マゼール編):言葉のない『指環』(『ニーベルングの指環』管弦楽曲集)

 

 

今年のサマーミューザ開幕公演、ミューザ川崎のレジデント・オーケストラの東京交響楽団を振るのは今年もノット音楽監督。今シーズンで契約満了となるので、開幕公演を振ってくれるのも今回が見納めでしょう。寂しくなりますね。

前回のブリテンの戦争レクイエムに続いて完売。

 

ローエングリン前奏曲、のっけから大編成。弦は14-16-10-8-6、数え間違いか、第2ヴァイオリンの方が第1ヴァイオリンより多い?

東響の繊細な弦、ピアニッシモのトレモロが美しい。ずっと続いて欲しかった音でした。

 

真ん中にベートーヴェン8番は12型の小編成にダウン。管楽器が半分以下になりました。

今までにあまり聴いたことのないスタイル。ピリオドでもないけれど、テンポの変化は大きい。3楽章のメヌエットではテンポを落として、フィナーレは前半は疾走したかと思いきや最後はブレーキ踏んで大きなアクセントをつけていたように聴こえました。

一音、一フレーズごとに変化があり、次がどうなるか想像つかずまるで今この場で生まれた曲のような新鮮さでした。このコンビには、予定調和という言葉が一番縁がなさそうです。

前半で楽団員から指揮者に足踏みの賛辞が。理想的な信頼関係ですね。

 

後半は「言葉のない(ニーベルングの)指環」、63分ほど。

奇しくも先月に同曲をペルトコスキの指揮で聴いたばかり。

https://ameblo.jp/tonagain/entry-12913388621.html?frm=theme

 

但し編曲者は異なり、今回は指揮者のマゼールです。

弦は16-16-12-10-8の対抗配置、ここでも第2ヴァイオリンが厚い。金管はホルン9うちワーグナーチューバ兼4が上手に3列に並び、それ以外のトロンボーン5、トランペット5、チューバ1が横に一列に並ぶ様は壮観。木管はファゴットが3管以外はすべて4管(クラリネットは1バスクラリネット含む)、ティンパニー2台はステージ奥で左右に距離を置いて分かれてました。ハープも4台も。

この大編成でも、広いミューザの舞台では私の席からは写真撮っても全員が入りきらない。

 

ノット監督のワーグナーは多分初めて聴きましたが、クリアで明晰ながら、後半の神々の黄昏でのジークフリートの葬送行進曲での金管と打楽器が加わったところでは全軍躍動、最大級の迫力でした。それでもミューザの響きのおかげで余裕を感じました。

この日もステージ外での動きもいろいろと。冒頭、ラインの黄金では打楽器奏者がP席の後方で鉄をカンカン叩いてからステージに戻ったり、ホルンやトロンボーンが途中で出入りして、ステージ裏やP席で演奏したり。ジークフリートのテーマを繰り返したホルンが特に素晴らしいです。

サマーフェスティバルではなくて真夏の定期のクオリティでした。この暑い中、5日前は戦争レクイエム、この日はニーベルングの指環ですからタフですね。

サマーミューザは21年目だそうですが、首都圏オケ+招待オケが勢揃いして、しかもタイトル付き指揮者での参戦も多く、お手頃価格もあって(私は割引で3600円)私にはNo.1のフェスです。