令和7年度(第80回)文化庁芸術祭主催公演
アジア オーケストラ ウィーク 2025
香港フィルハーモニー管弦楽団


指揮:リオ・クオクマン

ピアノ:反田恭平

管弦楽:香港フィルハーモニー管弦楽団


鄺展維:疾如風、徐如林(香港フィル委嘱、日本初演)

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23

チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64


ソリスト・アンコール

F.ショパン:子犬のワルツ作品64₋1


オーケストラ・アンコール

J.S.バッハ:羊は安らかに草を食み



アジア・オーケストラ・ウィークに香港フィルが来訪。本拠地での定期演奏会の後、前日は兵庫で同じプログラムをこなしてからミューザ川崎に登場しました。

現地では何度も聞いているので、普段東響で馴染んでいるホールでの演奏がどうなるか興味があります。平日夜にしては客の入りは良かったです。ソリスト効果でしょうか。


ギリギリで駆け込んだので、最初の現代曲は集中できず。


続くチャイコフスキーの協奏曲、初の反田恭平。冒頭、ホルンに続いて弦がたっぷりと外連味なく響き渡るのは耳に心地良いです。

反田恭平の打鍵は力強く、14型ながらパワフルなオーケストラに埋もれることがありません。所々金属的な音が聴こえたように思いました。アンコールのショパンは繊細な響きで良かったです。


休憩中は本拠地と同じで、楽員が三々五々が出て来て練習していました。

後半のチャイコフスキー5番は木管首席奏者が勢揃いして、ベストメンバーと思われる布陣でした。16型の通常配置、ヴィオラが客席寄り。

43分ほどの速いテンポでスイスイ飛ばす。音は相変わらず鳴っていますが、この交響曲の曲想の暗から明への変化がなく、どこもあっけらかんと鳴らしています。3楽章のワルツの振り方もオケを動かすと言うより指揮者が踊ることが目的ではないかと思うほどで、どこも同じ音で一本調子で単調に聴こえて、この辺りでもう退屈してしまいました。普段あまり厳しいことはここでは言いませんが、この指揮者には曲の起承転結という意識はないのでしょうか。8月の東響との幻想も全く同じ感想でしたので、ひとえに指揮者の責任でしょう。


オーケストラアンコールのバッハはオーボエとフルートのソロが夢見心地の美しさでした。


オーケストラは木管のソロ、金管群の迫力は普段通りの素晴らしさで、弦楽器は東京文化会館よりもドライな響きの本拠地のホールより、パワフルで良く鳴っていました。ホールの音響の差、ミューザの素晴らしさを改めて痛感しました。

本拠地での音楽監督との演奏と比べてホールは良いが、この日の演奏は劣っており、その責は指揮者にあるがオケの高い実力は日本を含めたアジアトップレベルに感じられたというのがこの日の結論です。

格落ちではなく、次回は本物の冠指揮者と来日してほしいです。