チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

指揮:セミヨン・ビシュコフ

スメタナ/連作交響詩「わが祖国」


2年ぶり来日のチェコフィル。

お国ものの「わが祖国」。チェコフィルでこの曲を聴くのは、34年前のクーベリックの最後の来日に遡ります。録音も出ていますが、とても音源には収まらないスケールの、一生忘れない演奏会の一つです。


16型の通常配置でした。ホルンが下手奥、その他は上手側に分かれています。

冒頭のハープ2台、柔らかくも力強い響きが鳴った瞬間から夢見心地でした。

ビシュコフは全体的にはたっぷりとしたテンポで、3曲目の後半からヒートアップして、アンサンブルの密度も濃くなっていったように思います。3曲目終了後のチューニング小休憩を含めて、全曲で84分ほどでした。

最後6曲目のブラニークの途中、ホルンのソロから最後まで輝かしく、しかし煽らず全くやかましさのない中で盛り上がっていく感動的なフィナーレでした。

チェコフィルは、ノイマン、クーベリックを聴いた後は、2年前に久しぶりに聴くまでは、長年ご無沙汰していました。当時はあまり音が飛んでこない印象があって、古風な音に聴こえていたのと、クーベリックを聴いた後に記憶を上書きするのが怖かったのかもしれません。今回聴いてみて、弦楽器のバランスとまとまりの良さ、特に中音域の厚さ、落ち着きのある音色でした。木管のソロもそれぞれ際立っていて、金管も、NHKホールのハンディも全く気になりませんでした。オーケストラもだいぶモダンになっている印象です。

昨年の高関健&東京シティフィルのわが祖国も楽譜に忠実で素晴らしかったですが、チェコフィルは楽譜の裏にある脈々と伝わる見えない何かがあって、オーケストラを一つにしているような。年齢的にも若手とベテランがちょうど半々ぐらいに見え、年齢層としてもバランスが良いのではないでしょうか。

改めて、オーケストラは無形伝承文化財と感じます。


叶わぬ夢だけど、タイムマシンで34年前のサントリーホールでの「わが祖国」をもう一回聴き直して、どんな変化があったのかを聴いてみたい想いに駆られました。