第2048回 定期公演 Aプログラム

指揮 : シャルル・デュトワ

ピアノ : 小菅 優*

オンド・マルトノ : 大矢素子*

女声合唱 : 東京オペラシンガーズ

 

メシアン/神の現存の3つの小典礼*

ホルスト/組曲「惑星」作品32

 

デュトワ、8年ぶりのN響定期復帰。

ホールに入ると、通常木管楽器が座っているところに、合唱団用の席がしつらえられていました。

 

前半のメシアン、初めて聴く曲。33分ほど。

舞台の上手側にオンド・マルトノ、下手側にピアノが置かれていて、弦楽オケはいつもよりはステージの奥に入り込んでいました。打楽器は両端に分かれて配置。

ピアノからさらに下手側に位置していたチェレスタ奏者がピアノでチューニングの合図。

透明で静謐な響きで、時に眠気も感じさせるような曲。

ピアノはメロディーを奏でるというよりもアンサンブルの一部で、オンド・マルトノは南国的な音階の微妙な揺らぎのある楽器でした。いずれも通常のコンサートでのソリストの概念とは違っていました。

 

後半は舞台上総とっかえというくらいの配置転換。休憩中、ステージマネージャー方々が大忙しでした。合唱団の席を取り外し、そこに木管楽器の席を入れ替え、ピアノとオンド・マルトノはお役御免、弦楽器が通常の場所に戻り、舞台後方に打楽器、金管楽器をずらっと並べました。

 

この惑星、コロナ後のデュトワでは一番良かったです。7年ぶりN響復帰の昨年の春祭を遥かに上回る出来でした。演奏時間は約55分。

冒頭から弦の不気味なリズムからキレッキレ、金管に続き弦もガツガツ弾いてオルガンが加わっての地鳴りがするような大音響の迫力と、戦争マーチのような推進力。だが響きはあくまで明晰、クリアなのがデュトワらしいです。

印象に残ったのは、火星、木星、土星、海王星の4曲、久しぶりに聴いてみると静と動の対比が見事な曲ですね。

ジュピターの中間部に弦楽器が分厚くメロディーを奏でるところでは、ベタですがウルウルしてしまいました。金管楽器も迫力満点で、特にホルン首席が見慣れない顔でどうやらゲストみたいですね。海王星は最後の消えゆく女声合唱の余韻が今でも脳裏に残っています。

先月の上海では休憩なしの演奏会形式もあってか座って指揮していましたが、この日は舞台上で飛び跳ねるくらい元気で、腕は肩の上まで上がっていました。

 

2曲を通じて女性合唱、チェレスタの共通項もあり、洒脱なプログラムでした。

先月のブロムシュテットに続いてN響の本気を感じたのと、NHKホールでの演奏と感じさせませんでした。来週のラヴェルプロも楽しみでなりません。