先週行われた、ジャニーズ事務所の記者会見に関連しては、先日アメブロに2本ほど記事を書かせていただきました。




この2回は、ジャニーズが取るべき行動についての記事だったのですが、今回は、外聞専門家による再発防止特別チームが作成した調査報告書にも明記されていた「マスメディアの沈黙」に対する責任について書きます。


調査報告書はジャニーズ事務所のホームページで公開されていますので、こちらもご覧ください。



報告書の52-53ページに、マスメディアの問題について書かれているのですが、この章は以下の言葉で締めくくられています。

ジャニーズ事務所は、ジャニー氏の性加害についてマスメディアからの批判を受けることがないことから、当該性加害の実態を調査することをはじめとして自浄能力を発揮することもなく、その隠蔽体質を強化していったと断ぜざるを得ない。その結果、ジャニー氏による性加害も継続されることになり、その被害が拡大し、さらに多くの被害者を出すこととなったと考えられる。

そしてその後の記者会見を踏まえて、テレビ局を始めとした各マスメディアからは「反省の弁」的なものは述べられたものの、これ以上のことはほとんど語られることはありませんでした。

また、記者会見後最初の日曜日。各テレビ局のワイド番組では、この記者会見についての報道は行われたものの、そもそもこの事件の被害者を増やす一因ともなったといえる「マスメディアの沈黙」については、どの局もほとんど掘り下げることなく、あたかも他人事のようでした。


未だにジャニーズに対する忖度を行っているのか?あるいは当事者意識の全くないボンクラテレビマンが番組制作をしているのか?本当のところは分かりませんが、この事件に対し、自分のこととして報道をしない姿勢に、今の日本のマスメディアとしての役割放棄・マスメディアのレベルの低さを感じました。


各テレビ局は、再発防止特別チームの報告書と、その後に行われたジャニーズ事務所の記者会見を踏まえ、「マスメディアが」ではなく「自分たちが」なぜ沈黙を守ってしまったのかをしっかりと検証し、更に、これから「自分たち」はどうすべきなのかを特別番組として視聴者とスポンサーに対して宣言しなければいけないと思います。


メディアにはその使命があります。


日本のテレビ局は間を開けずに、関わってきた自局の関係者に取材を行い、その内容を放送しなければなりません。


...と書いていたのですが、本日(9月12日)、NHKは「クローズアップ現代」でこの問題を取り上げました。


NHKプラスで9月18日まで見ることができます。


「クローズアップ現代 “ジャニーズ性加害”とメディア 被害にどう向き合うのか」

https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2023091130734

 

番組内容について詳しくは書きませんが、2004年にジャニー喜多川氏の性加害が最高裁で認定された時に報道ができたのではないかという仮説に基づき、当時のNHK職員、そして民放局の関係者40名に取材を行った内容を報じていました。


この問題について、最高責任者であるNHKの歴代会長の思いが聞かれなかったことなど、内容は100点満点というわけではありませんでしたが、民放に先駆けてNHKがこの問題に向き合ったというのは評価すべきだと思います。第2弾・第3弾で更に掘り下げた報道を期待します。


あとは民放局。マスメディアとしての使命を果たせるのか?あるいは娯楽番組ばかりに力を入れて自分たちの使命を忘れているボンクラテレビ局なのか?

今後の動向を注視していきたいと思っています。


なお先日、日本テレビは「ジャニーズのタレントは継続して出演していただく」旨のコメントを出しておりまして、やはり日本テレビ放送網という会社は人権意識の薄いボンクラな会社なんだなと理解しました。

他局はどうですかね?


最後に、ジャニーズのタレントが出演しているCMの打ち切りやテレビ番組の降板などと言った噂が流れている中、いまだに「ジャニーズのタレントは悪くない」という発言を見聞きするのですが、これに対して少し書いておきたいと思います。


誰もジャニーズのタレントが悪いとは思っていません。むしろ、もしかしたら被害者なのかもしれません。


しかし、今はいろいろな角度で企業価値が判断される時代です。人権の尊重もその一つです。


ジャニーズ事務所に所属しているタレントが番組に出演したときのギャランティや、CMに出演したときの契約料などの収入は、タレント個人に直接入るのではなく、契約しているジャニーズ事務所に入り、その中からタレント個人に支払われます。


つまり、ジャニーズ事務所に所属しているタレントに出演してもらうということは、ジャニーズ事務所に利益を与えるということになります。


小学生でもわかる話ですね。


創業者であり元社長を勤めた人間による、史上稀に見る性犯罪。そして変革せよとの声に対し、被害者に対して向き合い謝罪と賠償を行うとは発表したものの、社長は取締役を辞めることもなく、単なる役職である社長の名前だけを外し、しかも重大な犯罪を犯した創業者の名前をつけた社名も変えないと宣言した。更に、同族経営が事件の一因と指摘されているのに元社長は株式を売却することについて明言を避けている。


このような会社は、人権意識の薄い会社であるという評価が出てもおかしくありません。実際問題、この対応を重く見た保険会社や飲料メーカーなどは契約を見直す動きを見せています。


少し話がずれてしまいましたが、ジャニーズのタレントがジャニーズ事務所に所属する限り、テレビやCM出演を降板させる動き、全くおかしくないと思います。ですから、「タレントは悪くない」と言っているファンの皆さんは、ファンのタレントさんに対してジャニーズ事務所を退所し、別の健全な事務所に移籍するように働きかけてあげてください。


タレントは悪くないんです。


ということで、以上です。